親株の本ぽ高設ベッド定植によるイチゴの省力育苗技術

タイトル 親株の本ぽ高設ベッド定植によるイチゴの省力育苗技術
担当機関 滋賀農総セ
研究期間 2001~2003
研究担当者 高澤卓弥
中村嘉孝
谿 英則
発行年度 2004
要約 少量土壌培地耕の本ぽベッドにイチゴの親株を定植し、発生したランナーを切り離さず、8月中旬に直接定植することで、育苗の省力化が図れ、セル成型苗と同等の収量が得られる。親株の定植は6月末、施肥量は窒素成分で400mg/株程度が適する。
キーワード イチゴ、育苗、省力化、高設栽培
背景・ねらい 滋賀県では少量土壌培地耕を利用したイチゴの高設栽培が普及し、収穫・管理作業の省力化が図られている。しかし、育苗については露地無仮植育苗や空中採苗法では省力面で課題が残り、近年、滋賀県内で普及しているモミガラ育苗では別施設が必要となる。そこで、育苗の省力化と本ぽハウスの有効利用を図るため、本ぽベッドを利用した育苗技術について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 本ぽベッドに定植した親株から発生したランナーを下垂させ、必要苗数が確保できた時点で本ぽベッドにランナーを切り離さずに定植する。子苗の活着後にランナーを切り離すことで、育苗管理の省力化が図れ、慣行のセル育苗と同等の収量が得られる(図1、2)。
  2. 親株の株間1m、1株当たりの目標採苗数を10株とする。定植時期を6月25日、7月1日、7月10日としても収量は各区でほとんど差は認められない。しかし、定植時期が早いほど頂花房、1次腋花房の出らいが早く、6月25日定植では8月10日までに必要苗数の確保が可能であるが、7月1日では8月下旬、7月10日では9月上旬となる。(データ省略)。
  3. 親株への施肥量は、窒素成分200mg/株では1次腋花房の出らいが早く、総収量は多いものの、1果重が小さく、上物収量が低下する。400mg/株では1果重も優れ、上物収量が最も多い(表1)。
  4. 子苗の定植時期を8月10日、8月20日、8月30日とすると、8月20日定植で最も収量が高い(図3)。また、子苗への花芽分化前の施肥は頂花房、1次腋花房の出らいが遅れ、初期収量が低くなることから、子苗への施肥は必要ないと考えられる(データ省略)。

成果の活用面・留意点
  1. 親株への施肥には緩効性肥料を用いる。また、排液の窒素成分が子苗の花芽分化に影響しないよう水のみをかけ流しで給水する。花芽分化確認後は大塚OK-F-1(EC0.45~0.6dS/m)を循環施用する。
  2. 子苗の定植時期は高温期となるので、ハウスの遮光が必要である。また、本ぽでの栽培期間が長くなるため病害虫防除には留意する必要がある。

図表1 219863-1.jpg
図表2 219863-2.jpg
図表3 219863-3.jpg
図表4 219863-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 育苗 いちご 栽培技術 省力化 施肥 病害虫防除

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