タイトル |
養液栽培における有機質成型培地を用いた高糖度トマトの多収技術 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
細川卓也
小松秀雄
前田幸二
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発行年度 |
2004 |
要約 |
有機質成型培地を用いた高知方式養液栽培システムによるトマトの長段どり栽培において、第2花房開花期以降に日射比例自動給液制御により給液量を制限することで、糖度8度以上の上品収量が10a当たり8t以上得られる。
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キーワード |
トマト、高糖度、収量、養液栽培、有機質成型培地、日射比例給液制御
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背景・ねらい |
近年、養液栽培においても高糖度トマトの栽培を試みる生産者が増加している。しかし、果実糖度を高めるための栽培方法および給液管理は種々様々であり、安定的な生産がなされていない。そこで、「高知方式湛液型養液栽培システム」を応用し、有機質成型培地を用いた養液栽培システムおよび栽培方法を検討し、高糖度トマトの安定多収技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 定植時期・収穫期間:9月中旬頃に定植して6月末に収穫打ち切りとする。
- 品種:「桃太郎ファイト」、「ハウス桃太郎」(台木は「新メイト」)とする(表1)。
- 育苗:穂木および台木は、ヤシガラダストと樹皮堆肥(商品名:トーヨーグロース)の混合培地(容積比1:1)を充填したセルトレイに播種し(穂木128穴セルトレイ、台木50穴セルトレイ)、子葉と第1本葉の節間が約1.8mm径になった時期に接ぎ木する。培養液は山崎トマト処方に準拠した0.6単位の濃度とし、子葉展開後に施用を開始する。育苗日数は40日程度(本葉6枚頃)とする。
- 本圃管理
1) 培地:ヤシガラとバーク堆肥の混合資材からなる成型培地とする(図1)。 2) 栽植方法:うね幅180cm、株間12cm(460株/a)とする。 3) 仕立て・誘引方法:主枝1本のつる下げ誘引仕立てとする。 4) 培養液:山崎トマト処方に準拠する。濃度は定植~11月末および4月以降は1.5単位(EC:1.7dS/m)、12月~3月末には2.0単位(EC:2.3dS/m)とする(図2)。 5) 給液量管理:1回1株当たりの給液量は100mlとする。第2花房の開花期までは水分調節用ロックウールの範囲内で湛液が生じるように給液する。第2花房開花期に給液を停止し、軽いしおれがみられてからは日射比例制御方式による自動給液に切り替える。給液のタイミングは第2果房下の葉を摘除する(12月中旬頃)までは積算日射量40cal/cm2ごと、それ以降には45cal/cm2ごと(外日射基準)とする(図3)。 6) 着果数は1果房当たり4個とする。 7) 温度は換気開始点を午前25℃、午後21℃とし、夜間は平均12℃とする。
成果の活用面・留意点 |
- 2重固定張りビニルハウス(透光率約60%)で行った試験結果である。
- 日射比例給液制御装置は、市販の機器で構成され自作可能(制御プログラムのコピーは必要)で、既存の高知方式養液栽培システムの給液装置に組み込んで使用できる。ただし、現在の制御プログラムには停電時などの対応機能がないので、改善が必要である。
- 給液チューブにはチャピン点滴チューブ等、給液むらの小さいものを使用する。
- 着生葉数をほぼ一定に保つため、最下位果房の下3葉を残すように、適宜、摘葉を行う。
- 尻腐れ果の発生を防止するため、各果房とも開花1週間後から1週間おきに3回程度、カルシウム剤(カルシウム濃度で0.4%)を果房散布する。
- 適用範囲は高知県内の促成トマト栽培地帯とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
安定多収技術
育苗
栽培技術
台木
接ぎ木
トマト
播種
品種
養液栽培
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用語の事典として使えます。
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