タイトル |
カンキツせん定枝やシイタケ廃菌床を利用したユズ搾りかすの堆肥化法 |
担当機関 |
徳島農林水産総技セ |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
森 聡
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発行年度 |
2004 |
要約 |
堆肥舎内で腐熟途中のカンキツせん定枝堆積物やシイタケ廃菌床にユズ搾りかすを 1/2重量比混合し5~6か月堆積することにより、ユズ搾りかすの堆肥化が可能である。
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キーワード |
ユズ搾りかす、カンキツせん定枝、シイタケ廃菌床、堆肥化
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背景・ねらい |
環境に優しい持続的果樹栽培技術体系の早急な確立が求められている中、果樹園や地域内外から排出されるせん定枝、果実搾りかす、廃菌床等を焼却することなく、園内に土壌改良資材としてリサイクルするために、カンキツせん定枝堆積物及びシイタケ廃菌床を用いたユズ搾りかすの堆肥化法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- カンキツせん定枝を5月に粉砕し堆肥舎内で散水しながら堆積し、約1か月に1回切り 返しを行う。11月中旬にユズ搾りかすを1/2重量比加え混合し堆積する。堆積2週間後に窒 素を0.5%添加し切り返しを行う。以後約40日毎に切り返しを行うと、約5か月後の4月中旬 には完熟堆肥が得られる。
- 11月中旬に、粉砕したシイタケ廃菌床にユズ搾りかすを1/2重量比加え混合し堆積する。堆積2週間後に窒素を0.5%添加し切り返しを行う。以後約40日毎に切り返しを行うと、約6か月後の5月中旬には完熟堆肥が得られる。
- 搾りかす混合2週間後までは外観上ユズ搾りかすの分解は穏やかであるが、窒素添加後は急速に分解し、混合堆積約1か月後には搾りかすの形状はほとんど確認されなくなる。
- 搾りかす混合時点ではT-N(%)の低下やC/N比の上昇が生じるが、窒素添加後はT-N(%)の上昇とC/N比の低下が生じ、堆積約2か月後にはC/N比は14~15まで低下し、以後ほぼ安定する。
- ユズ搾りかすはコマツナ種子発芽試験を行うと発芽が全くみられないが、せん定枝堆積物や廃菌床と混合することにより発芽率は向上する。しかし、窒素添加後は再び強い発芽阻害性を示し、せん定枝堆積物との混合では堆積約5か月後に、廃菌床との混合物では約6か月後にそれぞれ発芽阻害が無くなる。
- 外観やC/N比の値から両者とも堆積2か月後に完熟したものと推測されるが、コマツナ種子発芽試験の結果からせん定枝堆積物との混合では堆積約5か月後が、廃菌床との混合物では約6か月後が完熟に要する期間と考えられる。
- 完熟堆肥はC/N比が十分低く、ECも低い等市販の堆肥と比べ遜色のないものとなっている。
- 以上のことから、ユズ搾りかすをカンキツせん定枝堆積物やシイタケ廃菌床に混合し、窒素を添加し、適宜切り返し堆積することにより完熟した堆肥が5~6か月で製造できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本方法には堆肥舎が必要であり、大型チッパー、ショベルローダーを用いれば効率的である。
- 窒素の添加はカンキツせん定枝堆積物あるいはシイタケ廃菌床との混合時に行ってもよい。
- 本堆肥のカンキツ園への施用は10a当たり3t程度とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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