デジタルカメラ、イメージスキャナーを用いた画像解析法による牛枝肉脂肪交雑の評価

タイトル デジタルカメラ、イメージスキャナーを用いた画像解析法による牛枝肉脂肪交雑の評価
担当機関 愛媛畜試
研究期間 2001~2003
研究担当者 岡田栄一(愛媛畜試)
新居康生(徳島畜研)
谷原礼諭(香川畜試)
日浦千尋(高知畜試)
発行年度 2004
要約 牛枝肉格付面の画像解析データよりBMSNo.の推定が可能である。
キーワード 肉用牛、画像解析、牛枝肉、脂肪交雑
背景・ねらい 牛枝肉の格付は、1988年に牛脂肪交雑基準(BMS)、牛肉色基準等のスタンダードを用いる方法に改正され、客観性の向上が図られたが、BMSNo.の判定はロース芯内の脂肪交雑粒子の割合のみでなく、粒子の粗さや形状等を総合的に絡めて判断しており、生産者には分かりにくいものとなっている。そこで画像解析法を利用し、ロース芯断面の数値化により牛枝肉脂肪交雑の客観的評価方法について検討する。
成果の内容・特徴
  1. デジタルカメラ(Nikon coolpix950)で撮影した牛枝肉格付面のロース芯画像をPopimaging((有)デジタル・ビーング・キッズ)の部分画像分割法により2値化し、本ソフトの画像処理機能である膨張処理により、ロース芯画像が完全に消失する回数を計測し、ロース芯面積をこの値で除した値を用いることで脂肪交雑粒子の粗さの数値化が可能である(図1)。
  2. Winroof((株)三谷商事)によりロース芯撮影面に配置したスケールを基準値とすることでロース芯面積を正確に測定することが可能である(図2)。
  3. Marbling(帯広畜産大学 口田)によりロース芯内の筋肉、脂肪粒子を2値化処理し、算出したロース芯内脂肪率とロース芯面積、脂肪交雑粒子の粗さ値を説明変数とし、重回帰分析により推定したBMSNo.と格付値には高い相関が認められ、牛枝肉の脂肪交雑を客観的に推定することが可能であるが、格付値が低い場合(<2)と高い場合(>9)には、適合率が低くなる(図3)。
  4. 第6~7肋骨間の切開面が狭い枝肉を想定し、ペンタイプ(富士通RS-C40U L、D、H:140、30、30mm)とハン ディタイプのカラーイメージスキャナー(NEC MR800U3 L、D、H:136、213、30mm)によりロース芯画像の取り込み を行い、算出したロース芯内脂肪率とデジタルカメラにより求めた値を比較した結果、ハンディタイプ型が優れ、切開面が狭い枝肉についても本技術の応用が可能である(表1、図4、5)。

成果の活用面・留意点
  1. デジタルカメラでの画像撮影にあたっては光むらのない画像を得る必要がある。

  2. 画像解析により推定したBMSNo.は格付値が低い部分と高い部分ではその差が大きいことから本技術の応用範囲はBMSNo.が3~8までの場合に有効である。
  3. カラーイメージスキャナーについては枝肉切開面の状態により(凸凹の有無)、鮮明な画像が得られない場合がある。

図表1 219938-1.jpg
図表2 219938-2.jpg
図表3 219938-3.jpg
図表4 219938-4.jpg
図表5 219938-5.jpg
カテゴリ 画像処理 カラー 肉牛

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