秋整枝位置による機械摘みてん茶の一番茶収量及び品質関連成分の品種間差異

タイトル 秋整枝位置による機械摘みてん茶の一番茶収量及び品質関連成分の品種間差異
担当機関 京都府立茶業研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 荻安彦
神田真帆
灰方正穂
大串卓史
上辻久利
発行年度 2004
要約 一番茶摘採後に深刈りを行う機械摘みてん茶栽培の体系では、夏整枝後に行う秋整枝位置が高いほど芽重型になり一番茶収量が多くなる。一番茶収量及び新葉の品質関連成分からみた最適な秋整枝位置は、深刈り面から8cmあるいは12cmの高さにあり、品種間差異が認められる。
キーワード 機械摘みてん茶、秋整枝位置、芽重型、一番茶収量、品種間差異
背景・ねらい 京都府のてん茶生産は、抹茶原料の需要増加や手摘み労働力の不足等により、機械摘みへの移行が進んでいる。しかし、機械摘みてん茶生産における既存品種の適応性並びに栽培管理法については不明な点が多い。そこで、既存の玉露・てん茶用品種を対象に、秋整枝位置の高さが翌年一番茶の収量及び品質関連成分に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 供試した品種では、どの品種も秋整枝位置が高いほど摘芽数が少なく、摘芽長、新葉数、百芽重の大きい芽重型となり、一番茶新芽の生育量が多くなる(表1)。また、新葉の全遊離アミノ酸及びタンニン含有率と秋整枝位置との間には一定の傾向が認められない(表1)。
  2. 一番茶収量の品種間順序は、「おくみどり,やぶきた,さみどり,ごこう」が多く、「あさひ,うじひかり」は少ない(表1)。
  3. 「おくみどり」以外の品種では、秋整枝位置が高いと摘採されずに葉層内に残る新芽が多くなるが、「おくみどり」は秋整枝位置による差が認められない(表1)。
  4. 多収品種である「おくみどり」の最適な秋整枝位置は、収量性から高い整枝が適している。また、収量性に加え、全遊離アミノ酸及び全遊離アミノ酸/タンニン比から、「やぶきた」は高い整枝位置、「さみどり,ごこう」は慣行の高さ(中整枝)が適している(表1、図1)。

成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、一番茶後に深刈りを行い、その後、夏整枝及び秋整枝を行う体系であり、秋整枝時の新梢がよく伸びている条件で適用される。
  2. 秋整枝までの摘採回数や整せん枝履歴、秋整枝時の新梢の生育状況によっては適用できない。

図表1 219952-1.jpg
図表2 219952-2.jpg
カテゴリ 栽培技術 てん茶 品種 抹茶

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