棚田ライシメータを用いた傾斜地水田の地表および地下の洪水流出モデル

タイトル 棚田ライシメータを用いた傾斜地水田の地表および地下の洪水流出モデル
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2002~2004
研究担当者 吉村亜希子
吉迫 宏(農業工学研究所)
川本 治
島崎昌彦
発行年度 2004
要約 棚田ライシメータでの地表・地下の洪水流出観測結果から、地下流出は降雨に反応した早い流出と定常的な遅い流出があることを明らかにし、この特性を再現するため、従来モデルに、畦畔の地下浸透孔および地下流出部のタンク・流出孔に改良を加えたモデルを構築する。
キーワード 傾斜地水田、タンクモデル、洪水流出、流出特性
背景・ねらい 傾斜地域においてはその立地条件の不利さから耕作放棄をはじめとする管理状況の変化が著しい。特に傾斜地水田の管理の変化は流出特性の変化につながりこれらは洪水災害などの危険性を増大させる。そのため管理による流出変化を検討するためには傾斜地水田の流出をモデル化することは重要である。そこで水収支が確実に把握できる棚田ライシメータの観測結果から傾斜地水田の地表流出および地下流出の両方の流出特性を再現できるモデルを作成する。
成果の内容・特徴 1.
棚田ライシメータ(図1)での洪水時の地表・地下流出の観測結果、1)地下流出は降雨に反応した早い流出と定常的な遅い流出に分けられ、2)全表面における畦畔法面の占める面積が多く、畦畔からの浸透が大きい特徴がある。
2.
1に示した流出特性を再現するために既存の畦畔サブタンクを持つ棚田タンクモデルにおいて1) 早い地下流出成分と遅い地下流出成分を表すために、作土層タンクの流出孔を1つ増やしかつ心土層タンクを設ける、2)畦畔部からの浸透を表すために畦畔タンクに浸透孔を付け、浸透水は直接作土層のタンクに流入させる、この2点の改良を行う(図2)。
3.
改良型の棚田タンクモデルを観測値に適用したところ、短期流出では地表流出および地下流出が同時に再現でき、また、パラメータz2,c1は圃場管理状態の変化を示している(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
このモデルを用いることで傾斜地水田の管理変化による流出の変化の検討に役立つ。
2.
洪水流出特性の検討のため短期流出のみ対象にしており、長期流出への適応のためにはさらにデータの蓄積が必要である。
3.
ライシメータの観測結果を元にしているため、現地に適用するときには観測データと照らし合わせたパラメータの検討が必要である。
図表1 219981-1.gif
図表2 219981-2.gif
図表3 219981-3.gif
カテゴリ 傾斜地 水田 圃場管理

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