| タイトル | 山間地における水田受託組織の労働時間や労働負担を増加させる要因 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
| 研究期間 | 2000~2005 |
| 研究担当者 |
細川雅敏 井上久義 内田晴夫 猪之奥康治 |
| 発行年度 | 2004 |
| 要約 | 山間地における水田受託組織では、受託圃場が広域に分散するとともに、狭小不整形圃場が多いため、作業時間、移動時間、機械積み降ろし時間が増加し、労働過重が危惧される。また、畦越えは、危険で心拍数増加率が約30~55%と労働負担が大きい。 |
| 背景・ねらい | 高齢一世代農家が進行する山間地では、受託組織による作業受託を通じた水田の保全、管理が期待されている。受託組織が長期にわたり活動するためには、オペレータが過重なく、安全適切に働ける労働環境が必要であるが、受託組織のオペレータの労働面の実態については明らかになっていない。このため、オペレータの作業条件や労働実態に関し調査・分析を行い、問題の所在を明らかにし、今後の受託組織の運営に資する。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 代かき、田植え作業の重複する5月は、22日間の連日の作業が行われている。この間の平均出役時間は8時間40分であり、オペレータの労働は、飽和状態に近い。受託面積は着実に伸びており、今後も委託希望圃場の増えることが予想され、オペレータの労働過重が危惧される(図1)。 2. 労働時間の増加要因として、受託圃場の広域分散と狭小性が挙げられる。受託地点(委託農家ごとの圃場で、数筆の受託圃場からなる)は、112箇所、東西約20km,南北約6km,標高220m~700mの広い範囲に散在し、事務所~受託地点までの移動距離は、全受託地点のうち約40%が10kmを越える。このため、「狭隘な山間道の移動」や「農業機械の運搬車への積み・降ろし作業」の出役時間に占める割合が大きい。また、農業機械の作業能率が劣る狭小な圃場が多く、全受託圃場325筆のうち5a以下の圃場が50%を占めている(図2)。 3. 未整備圃場での畦越えによる圃場間移動では、田植機のバランス制御のため田植機に立ち乗りし両足での体重調整(圃場B→C)や、あゆみ板のバランスが崩れたため田植機から降り田植機最前部に体重を掛け前輪の浮き上がりを防止する(圃場B→A)など、俊敏で危険な動作と身体的負担を要する。畦越えの心拍数増加率は、約30~55%であり労働負担が大きい(表1)。 4. 作業環境の改善に当たり、受託圃場の広域分散の解消や山間道の改善は困難である。したがって、まち直し整備等を通じ複数の狭小区画の畦畔を除去し1筆面積を拡大することにより、作業能率の改善や畦越えの解消を図るとともに、作業条件の面から受託圃場を取捨選択することも検討する必要がある。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1. 傾斜地における受託組織や受託組織の有る自治体において有用である。 2. 作業の安全上の情報として有用である。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | 傾斜地 水田 |
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