タイトル |
DNAマーカーによるイチゴ品種「アスカルビー」の識別 |
担当機関 |
奈良農技セ |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
浅尾浩史
野村貴浩
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発行年度 |
2005 |
要約 |
3 つのプライマー対を同時に混合してPCR 反応を行うマルチプレックスPCR 法により、「アスカルビー」を他の主要なイチゴ23 品種・1系統と識別することができる。
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キーワード |
イチゴ、DNA マーカー、品種識別
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背景・ねらい |
奈良県で育成された「アスカルビー」は市場の評価も高く、栽培面積も増加している有望な品種である。育成者権保護あるいは不正表示の防止のためにもDNA による品種識別法の開発が望まれている。そこで、マルチプレックスPCR 法により「アスカルビー」と他の23 品種・1 系統とを識別可能なDNA マーカーを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 識別対象となるイチゴの葉片からゲノムDNA を抽出する。抽出したゲノムDNA をテンプレートとしてPCR 反応に供する。
- 3 つのプライマー対(表1)を「アスカルビー」識別マーカーとしてPCR 反応液中に同時に混合し、PCR 反応を行う。PCR反応条件は94℃で5 分間反応後,94℃・30 秒間,54℃・30 秒間,72℃・1 分間を30 回繰り返した後,最後に72℃・7 分間反応させる。
- PCR 反応終了後,得られた産物の一部を1.5%アガロースゲルで電気泳動を行う。
- 電気泳動終了後、ゲルを染色し、UV 照射下でバンドパターンを比較する。
- STS19 マーカーでは「アスカルビー」および「ダナー」においてのみバンドを検出できない(図1)。
- OPE19STS マーカーでは全ての品種で共通にバンドを検出でき、PCR 反応が成功していることを確認できる(図1)。
- Gal マーカーでは「あかねっ娘」、「ダナー」および「宝交早生」でのみバンドを検出できる(図1)。
- これら3 つのDNA マーカーを用いて、「アスカルビー」を他の23 品種・1 系統と識別することができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 識別品種のサンプルは葉片に限らず、がく片や果実等、ゲノムDNA が抽出可能な組織であればいずれも識別可能である。
- 識別可能な23 品種・1 系統以外の品種・系統について、識別の可否は検討していない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
いちご
DNAマーカー
品種
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