短期栽培用水稲新品種「華兵庫」

タイトル 短期栽培用水稲新品種「華兵庫」
担当機関 兵庫農技総セ
研究期間 1998~2001
研究担当者 三好昭宏
田中萬紀穂
澤田富雄
発行年度 2005
要約 兵庫県南部の園芸地帯向けの良質・良食味水稲として、短期栽培用品種「華兵庫」を育成し、認定品種に採用した。
キーワード イネ、短期栽培、極早生品種、華兵庫、認定品種、園芸地帯
背景・ねらい 兵庫県南部の野菜園芸地帯では、高度輪作を行うため、本田占有期間が極めて短い水稲品種が要求される。「はつごぜん」は、その要求を満たすべく育成されたが、収量性・食味が十分ではなく、また、早熟に過ぎ、雀害などによる減収も問題となっていた。そのため、作付が拡大しないまま、2001年、認定品種廃止となった。これにより、本県の奨励品種で最も早熟な品種は「フクヒカリ」となったが、本品種は、野菜跡地などでは後作との作期競合や耐倒伏性に問題があり、現在ではほとんど作付けされていない。そこで、「安定収量・高品質・良食味」の条件を満たす実用的な短期栽培品種を育成し、普及を図る。
成果の内容・特徴
  1. 1992年、「兵系54号」(はつごぜん)×「キヌヒカリ」の交配を行い、その後、系統選抜法により、短期栽培用極早生品種「華兵庫」を育成した。本品種は、2005年、兵庫県の認定品種に採用された。
  2. 芒は発生せず、脱粒性は難である。穂発芽性は極難である(表1)。
  3. 「はつごぜん」に比べて、短稈で、穂数は少なく、穂長は長い短稈偏穂数型品種である(表1)。
  4. 「はつごぜん」に比べると、やや晩熟であるが、「フクヒカリ」と比較すると、6日程度早熟である。収量は、「フクヒカリ」と同程度で、「はつごぜん」に比べてかなり高い。腹白の発生はごく少なく、良質である(表1)。
  5. 食味は、おおむね良好である(表1、2)。
  6. 現地試験は現在野菜跡に作付けの多いハナエチゼン(奨励品種外)と比較したが、成熟期で5日程早熟で、8%程度多収である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 耐冷性は付与されていないため、県南部の園芸地帯の短期栽培用品種として普及を図る。
  2. いもち病には強くないので、薬剤の育苗箱施用など、いもち病の防除に留意する。
  3. 登熟は高温期に当たるので、水不足に陥らないよう、落水時期に留意し、適期刈り取りを心がける。
  4. 時無短期性が高いと考えられるため、育苗期間を長くとりすぎると、不時出穂のおそれがある。
図表1 220063-1.jpg
図表2 220063-2.jpg
図表3 220063-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 いもち病 新品種 水稲 品種 防除 薬剤 良食味 輪作

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