タイトル |
極早生水稲新品種「南国そだち」 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
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研究担当者 |
1998~2004年度
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発行年度 |
2005 |
要約 |
極早生水稲品種「南国そだち」を育成し、奨励品種として採用した。「南国そだち」は「とさぴか」、「ナツヒカリ」の中間熟期で、「とさぴか」より耐冷性が優れ多収で、アミロース含有率が低く良食味である。
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キーワード |
イネ、極早生、品種育成、葯培養、南国そだち、高育68号
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背景・ねらい |
米の販売環境の激変により、高知県の早場米は8月早々に出荷しなければ有利販売が望めない状況となっている。このため、7月中に安定出荷できる極早生品種育成への要望が極めて高いが、極早生水稲では、早生水稲に比べ登熟期間が低温で経過するため、アミロース含有率が高まり、食味が低下する傾向にある。 そこで、低温登熟条件下でもアミロース含有率が低く、良食味となる極早生の新品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
「南国そだち」(旧系統名:高育68号)は、本県育成系統である高育30号を母本、高系265を父本として1998年に交配し、F1の葯培養により固定・育成した極早生水稲品種である。 - 特性
所内4月中旬移植において、「とさぴか」と比較した特性は次のとおりである。
1) 表1)。 2) 稈長は8cm程度長く、穂長もやや長い。耐倒伏性は同程度で強い。穂数は同程度で、草型は“穂数型”を示す(表1)。 3) 収量比率は106と高い。玄米千粒重は22.5gと重く、玄米の形状はやや丸みを帯びる。高温登熟性は“中”で、白未熟粒の発生がやや多いが、総合的な外観品質はやや優れる(表1)。 4) 障害型耐冷性は“極強”と優れ、不稔の発生が少ない(表1)。 5) 自然菌によるいもち病抵抗性検定では、葉いもち、穂いもちとも発病は認められない。 6) アミロース含有率は約15%で2%低く、タンパク質含有率は同等であり、食味官能評価も優れる(表1,2)。
- 現地試験の成績
現地試験においても、「南国そだち」の収量、品質は「とさぴか」より優れる(表3)。
成果の活用面・留意点 |
- 2005年に「南国そだち」として品種登録申請を行い、奨励品種として採用された。
- 適用範囲は、高知県内平坦部、極早生水稲栽培地域とする。
- 苗の低温活着性は“強”であるが、極端な早植えは行わない。
- いもち病、紋枯病の基幹防除は徹底する。
- 多肥栽培ではタンパク質含有率が上昇するとともに、弱勢穎花が多くなることで白未熟粒の発生割合が高まる場合もみうけられるため、過度の施肥は行わない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
出荷調整
新品種
水稲
施肥
抵抗性検定
品種
防除
良食味
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