タイトル |
カーバムナトリウム塩液剤の機械処理によるレタスビッグベイン病防除効果 |
担当機関 |
兵庫農総セ |
研究期間 |
2004~2005 |
研究担当者 |
西口真嗣
松本功
廣瀬敏晴
小林尚司
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発行年度 |
2005 |
要約 |
レタスビッグベイン病に対して、マルチャ装着型散布機でカーバムナトリウム塩液剤を散布すると、高い防除効果が得られ、作業時間は約14分/10a延長するだけで現在のマルチ敷設作業体系を変更することなく防除が可能である。
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キーワード |
レタス、ビッグベイン病、機械処理、作業性
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背景・ねらい |
レタスビッグベイン病に対してカーバムナトリウム塩液剤の効果は高いが簡便な処理法がなく独特の臭気があるため手散布は困難である。そこで、より簡便な防除法として、レタスの品質向上と雑草対策のため普及しているマルチャに散布機を装着する原液散布機を開発し、散布効果と作業性を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 本機は、市販の歩行管理機搭載型マルチャに散布機を装着したものである(図1、表1)。歩行管理機搭載型マルチャのロータリー部と管理機駆動輪の間に噴口(8個)付ブームを配置し噴霧部とし、搭載した薬剤缶(20L)からバッテリー式ギヤポンプを経由して薬剤を土壌混和できる。噴霧量は無段階で調整可能である。
- 作業能率は、マルチ作業のみでは137分/10aであるが、マルチ作業同時薬剤散布では薬剤缶の装着手間として14分多くかかる。薬剤散布・耕耘・畝立・フィルム被覆が一体的に処理でき現在の作業体系を大きく変更することなく処理ができる(表2)。薬剤の吐出量は最大2.2L/分である。
- 本機を使用して、同剤をそれぞれ36・53・73L/10a処理し無孔マルチで被覆すると、防除価90以上と極めて高い防除効果を示す。有孔マルチで81L/10a処理した区は防除価88とやや効果が劣る(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 処理機械は2006年2月に有光工業㈱より市販される。価格は処理機のみで17万円程度の予定である。薬剤費用は40L/10aの施用で約2万円/10aが必要となる。
- 登録は60L/10aであるため本機導入後、圃場内を試走して走行速度を調査し、吐出量調整ダイヤルで薬剤吐出量を調整しておく。
- マルチ外の土壌は殺菌されていないため、定植時などにマルチ外の土壌で土寄せ作業等は行わない。
- 有孔マルチでは定植時の手間はかからないが、汚染程度のひどい圃場ではやや効果が低下するので無孔マルチを使用する。
- 硝酸化成菌の死滅により初期の肥効が過剰になるため基肥は地力の程度に応じて減肥する。
- ビッグベイン病対策用に使用した本機を未発生圃場で使用する場合は、十分な洗浄が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
栽培技術
雑草
防除
薬剤
レタス
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