タイトル |
京都府におけるネギハモグリバエの土着捕食寄生バチ相 |
担当機関 |
京都農総研 |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
昤丸 晋
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発行年度 |
2005 |
要約 |
京都府におけるネギハモグリバエの土着捕食寄生バチは、コガネコバチ科の Halticopter a circulus (Walker)、ヒメコバチ科のPnigalio katonis (Ishii)、イサエアヒメコバチ、Chrysocharis pentheus (Walker)等の6種である。優占種はイサエアヒメコバチとP. katonis である。
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キーワード |
ネギハモグリバエ、土着捕食寄生バチ、イサエアヒメコバチ、P. katonis 、優占種
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背景・ねらい |
ネギハモグリバエは、ネギ、ラッキョウ及びニラに被害を与える重要害虫である。近年、京都府内の葉ネギ栽培地域においては、ネギハモグリバエが多発し、甚大な被害が生じている。これまで、本種の化学的防除に関する報告は多いが、生物的防除に関する報告はない。そこで、ネギハモグリバエの生物的防除法を開発する基礎的研究の一環として、京都府南部の露地ネギ周年栽培ほ場における土着捕食寄生バチの種構成を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 2002年7月から8月、2003年6月から8月及び2005年5月から6月までの期間中に、 京都市及び八幡市の露地ネギほ場から採集したネギハモグリバエの土着捕食寄生バチの 総数は524匹であり、その内訳はコガネコバチ科のHalticoptera circulus (Walker)、ヒメコバチ科のPnigaliokatonis (Ishii)、イサエアヒメコバチ、Chrysocharis pentheus (Walker)、ハモグリミドリヒメコバチ及びClosterocerus trifasciatus Westwoodの6種である(表)。
- 2002年にはイサエアヒメコバチ(種構成比率:76.6%) が、2003年及び2005年にはP. katonis (2003年:44.8%,2005年:60.9%)がそれぞれ優占種である(表)。
- 土着捕食寄生バチの寄生率は、0~100%の範囲で推移したが、2002年には8月、2003 年には6月下旬以降、2005年には6月に、それぞれ寄生率が高く、これらの時期ではネギハモグリバエの土着捕食寄生バチは重要な天敵として働いている(表)。
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成果の活用面・留意点 |
- ネギハモグリバエの生物的防除法を開発する際の基礎的資料として利用できる。
- 本調査は、ネギハモグリバエによる被害の大きい5~9月に行った。
- 本調査で採集された土着捕食寄生バチは、いずれも単寄生とみなし寄生率を求めた。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
生物的防除
にら
ねぎ
防除
らっきょう
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