堆肥・緑肥同時すき込み時の窒素溶脱抑制効果と緑肥の窒素無機化パターン

タイトル 堆肥・緑肥同時すき込み時の窒素溶脱抑制効果と緑肥の窒素無機化パターン
担当機関 岡山農総セ
研究期間 2002~2004
研究担当者 高津あさ美
石橋英二
発行年度 2005
要約 岡山県南部野菜畑の夏期裸地期間中に栽培した緑肥(ソルガム)を牛糞豚糞鶏糞おがくず堆肥と同時にすき込むと、堆肥中の無機態窒素が緑肥にとり込まれて溶脱が抑えられる。また、C/N比が40程度の緑肥をすき込む時は、後作の施肥量は通常どおりとする。
キーワード 緑肥、すき込み、C/N比、堆肥、窒素溶脱
背景・ねらい 現在の岡山県南部の野菜畑地域の作付け体系では、春夏作と秋冬作の間の高温期が裸地になっている圃場があり、残存窒素の溶脱及び土壌からの窒素の無機化により、地下水を汚染している可能性がある。さらに、この時期に堆肥を施用している農家が多いが、そのことがかえって窒素の溶脱を引き起こしていることが懸念される。そこで、裸地期間に土づくりや窒素溶脱抑制を目的として栽培した緑肥のすき込み時に堆肥を同時施用することによる窒素溶脱への影響と、緑肥すき込み時の生育ステージが後作の施肥量に対する影響を知る。
成果の内容・特徴
  1. 堆肥単独の施用では、堆肥中の無機態窒素が溶脱するが、裸地期間中にソルガムを栽培し、すき込みと同時に堆肥を施用すると、窒素の溶脱が抑えられ、環境負荷の少ない土づくりが可能と考えられる(図1)。
  2. 岡山県南部の野菜畑圃場の地温を用いて、ソルガムを7月30日にすき込んだ場合の窒素の放出量を推定した(図2)。C/N比が低い場合は、窒素の放出が起こり、C/N比が高い場合は無機態窒素を取り込む現象が起こる。C/N比が40程度であれば、みかけ上窒素の放出も取り込みもほとんど起こらず、ソルガムをすき込むことによって土壌の物理性改善効果が期待できる。
  3. ソルガム栽培期間中の積算温度からC/N比を推定することが可能である(図3)。積算温度が1400℃前後でC/N比が40程度となり、すき込み適期と考えられ、窒素の放出・取り込みもほとんど起こらないため、施肥量の増減を考えなくてもよい。
成果の活用面・留意点
  1. 供試したソルガムは、雪印種苗‘緑肥用ソルゴー’である。
  2. 岡山県南野菜畑地域において得た成果であるが、ソルガムを栽培できるだけの裸地期間の積算温度が確保できる地域で適用可能である。
図表1 220110-1.jpg
図表2 220110-2.jpg
図表3 220110-3.jpg
カテゴリ 土づくり 施肥 ソルガム

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