反応速度論的手法による粉砕籾殻牛糞堆肥連用土壌の窒素無機化パターンの予測

タイトル 反応速度論的手法による粉砕籾殻牛糞堆肥連用土壌の窒素無機化パターンの予測
担当機関 岡山農総セ
研究期間 2001~2004
研究担当者 芝 宏子
大家理哉
石橋英二
発行年度 2005
要約 粉砕籾殻牛糞堆肥を連用した畑土壌からの窒素無機化量は、施用初年目では堆肥を施用しない場合より減少するものの、連用年数が長くなると増加する。反応速度論的解析を行うことで、このような堆肥の連用による窒素無機化パターンの変遷を数値化できる。
キーワード 牛糞堆肥、連用、窒素、無機化、反応速度論
背景・ねらい 堆肥から供給される窒素を有効に活用し、環境に負荷を与えない施肥管理を行うためには、堆肥の連用による窒素供給の増加量を把握する必要がある。そこで、粉砕籾殻牛糞堆肥(以下堆肥)の連用年数と土壌からの窒素無機化量並びに無機化パターンとの関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 堆肥連用年数に関わらず、窒素の無機化は温度の影響を受け、温度が高いほど無機化速度は速くなる(図1)。
  2. 堆肥連用年数に関わらず、堆肥施用後に窒素の取り込みが見られるが、その後無機化が優占する。堆肥連用3年目では窒素の取り込みは多いが、堆肥連用7年目では窒素の取り込みは少なくなる。(図1)
  3. 図1で得られた結果を、有機化無機化並行型に当てはめて反応速度論的に解析し、そこで得られた特性値を用いて、4/1~11/29の農試畑ほ場における地温で窒素無機化量を予測すると、図2に示したような結果が得られる。
  4. 連用1年目では窒素の取り込みが優占し、無施用区と比べて窒素無機化量が少なくなるが、3年目では無施用区の1.6倍、7年目では2.7倍の窒素が11月29日の時点で無機化することが分かる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 堆肥によって窒素供給パターンは異なる。今回の肥効パターンは、畑条件の粉砕籾殻牛糞堆肥の場合に適用できる。
  2. 窒素無機化量は、堆肥の施用時期(地温)により異なるので、岡山県内においては岡山県土壌施肥管理システム(H17、岡山県農林水産部)を、県外においては窒素無機化予測ソフト(岡山農試)を活用することにより、任意地点・任意時期における予測が可能である。
  3. 中粗粒黄色土で、粉砕籾殻牛糞堆肥を0、3、6年連用した土壌を用いた結果である。
図表1 220114-1.jpg
図表2 220114-2.jpg
カテゴリ 管理システム 施肥

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