堆肥連用圃場の窒素肥効パターン、土壌並びに作物収量に及ぼす影響

タイトル 堆肥連用圃場の窒素肥効パターン、土壌並びに作物収量に及ぼす影響
担当機関 岡山農総セ
研究期間 2001~2004
研究担当者 鷲尾建紀
芝 宏子
高津あさ美
発行年度 2005
要約 粉砕もみ殻牛糞堆肥を連用した土壌からの窒素供給は、冬から5月中旬ごろまでほとんど期待できないが、その後9月前半にかけては窒素の供給量が増加する。その結果、春作バレイショでは主に物理性の改善効果によって、秋作ハクサイでは物理性と窒素供給量増加によって増収する。
キーワード 牛糞堆肥、バレイショ、ハクサイ、連用、窒素供給量
背景・ねらい 堆肥の窒素肥効は施用時期や連用年数によって違うことは一般的によく知られていることであるが、現実は、作期、作物、及び連用年数に関係なく一律の肥効率を用いて施肥量を計算することが多い。そこで、粉砕もみ殻牛糞堆肥を連用した場合の春植えバレイショ及び秋まきハクサイの収量性並びに土壌の物理性に及ぼす影響を調査し、堆肥の連用が窒素供給パターン、土壌並びに作物収量に及ぼす影響を知る。
成果の内容・特徴
  1. 堆肥連用区のバレイショ及びハクサイ収量は、施用当初から化学肥料区よりも多い。特にハクサイにおいては連用による増収効果も認められる(図1)。
  2. 土壌及び粉砕もみ殻牛糞堆肥からの窒素供給量は、6年連用によって地力が高まった状態でも、春植えバレイショの定植期から開花期にかけては少なく、開花期から収穫期の間で供給量が多い。このため、生育初中期の生育増進効果は少ない。一方、秋まきハクサイでは、地温が高い定植期までに粉砕もみ殻牛糞堆肥由来の窒素が土壌中に多く集積するとともに、定植後の窒素供給量も多く、活着と初期生育が増進される(図2、表2)。
  3. 粉砕もみ殻牛糞堆肥施用により、当初から仮比重が低く、孔隙率が高く物理性の改善効果がみられ、この効果は施用量が多いほど顕著であった(図3)。しかし施用量が多いと5月中旬までの生育初期の窒素の取り込み量も多く、物理性の改善がそのまま初期の生育の促進につながらない(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験圃場の土壌条件は、中粗粒黄色土である。
  2. 物理性改善効果は施用初期の効果が大きく、連用効果は小さいので、連用により加里やリン酸の過剰集積がみられた場合には堆肥を中止する。
図表1 220115-1.jpg
図表2 220115-2.jpg
図表3 220115-3.jpg
図表4 220115-4.jpg
図表5 220115-5.jpg
カテゴリ 肥料 栽培技術 施肥 はくさい 春作 ばれいしょ

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