タイトル |
枝豆用大豆の新品種「黒っこ姫」及び「茶っころ姫」 |
担当機関 |
兵庫農総セ |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
曳野亥三夫
岩井正志
福嶋 昭
廣田智子
|
発行年度 |
2005 |
要約 |
「早生ダダチャ」と「丹波黒」との交配により、丹波黒枝豆より半月早く収穫できる「黒っこ姫」と既存茶枝豆より1か月遅く収穫でき、茶枝豆特有の香りと食味を持つ「茶っころ姫」を育成した。
|
キーワード |
エダマメ、新品種、黒枝豆、茶枝豆、端境期
|
背景・ねらい |
丹波黒枝豆は、独特の甘みと香りを持ち食感が良く需要が増加している。収穫期間は10月中旬から約2週間と短く、販売期間が限られ、早い時期から丹波黒枝豆が食べたいという声や、収穫期間の拡大と労力分散を図りたいという生産者ニーズがある。 そこで、早生の黒枝豆と丹波黒枝豆の端境期に生産可能な品種の育成を目指した。
|
成果の内容・特徴 |
- 1994年に「早生ダダチャ」を交配母本、「丹波黒」を交配父本として交配して、選抜、固定化を進め、収量、品質、内容成分調査及び食味評価を経て、2005年に品種登録の出願を行った。
- 「黒っこ姫」の収穫期は、丹波黒枝豆より半月早い9月中下旬であり、夏大豆系の早生の黒枝豆と丹波黒枝豆との端境期に収穫でき、黒枝豆の連続出荷が可能となり栽培労力分散ができる。草姿は「丹波黒」と比べやや小さく、莢収量は10aあたり900kg程度である。3粒莢率は10%未満、2粒莢率は60%以上である(表1、2)。
- 「黒っこ姫」は、丹波黒枝豆と比べ生莢の黄化程度はやや低く、ゆでると子実は種皮が黒紫色になり、着色程度は同程度であり子実重量はやや小さい。ゆでた後の枝豆の全糖含量は、丹波黒枝豆や早生ダダチャ枝豆よりやや低い(図1)。
- 「茶っころ姫」の収穫期は、茶枝豆より1か月遅い9月中下旬であり、収穫期間の大幅な延長ができる。草姿は「早生ダダチャ」と比べ大きく、莢収量は10aあたり1,000kg程度である。3粒莢率は2%未満、2粒莢率は60%以上である(表1、2)。
- 「茶っころ姫」は、早生ダダチャ枝豆と比べ生莢の黄化程度は同程度、ゆでると子実は種皮が褐色になり、着色程度は同程度である。ゆでた後の枝豆の全糖含量は、早生ダダチャ枝豆よりやや高く、丹波黒枝豆と同程度である(図2)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 「黒っこ姫」は丹波黒枝豆と比べ粒がやや小さく、風味がうすく感じるので販売方法に注意が必要である。関西地方では茶枝豆を食する習慣が少ないが、「茶っころ姫」は、茶枝豆独特の香りと味を活かした特色ある新規枝豆として期待できる。
- 両品種とも「丹波黒」と同様の播種期、植栽密度及び栽培管理を行い、開花期から莢の充実・収穫期まで土壌水分の確保に努める。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
えだまめ
栽培技術
出荷調整
新品種
大豆
茶
播種
品種
良食味
|