万願寺トウガラシの疫病・青枯病複合抵抗性台木「トウガラシ安濃4号」の選定

タイトル 万願寺トウガラシの疫病・青枯病複合抵抗性台木「トウガラシ安濃4号」の選定
担当機関 京都農総研
研究期間 2002~2005
研究担当者 中澤 尚
樫本紀博
橋本典久
発行年度 2005
要約 「トウガラシ安濃4号」は万願寺トウガラシの疫病・青枯病複合抵抗性台木として実用性が高く、有望である。
キーワード トウガラシ、接木栽培、疫病、青枯病、複合抵抗性台木
背景・ねらい 京都府内の万願寺トウガラシ産地では、連作による疫病・青枯病の多発が産地の維持、発展上の大きな不安定要因となっており、対策として抵抗性台木に期待が寄せられている。そこで、(独)野菜茶業研究所で育成中の疫病・青枯病複合抵抗性台木「トウガラシ安濃4号」等について、万願寺トウガラシ台木としての有効性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 「トウガラシ安濃4号」を台木とする万願寺トウガラシは、京都府内から分離した強毒性の疫病菌、青枯病菌の接種検定において慣行台木「ベルマサリ」(表1)の他、「トウガラシ安濃3号」、「ベルホマレ」、万願寺トウガラシ(自根)、伏見トウガラシ(自根)などより抵抗性において優れる。
  2. 「トウガラシ安濃4号」を台木とする万願寺トウガラシは、産地の青枯病汚染ほ場においても「ベルマサリ」台木より優れた抵抗性を示す(表2)。
  3. 「トウガラシ安濃4号」を台木とする万願寺トウガラシの収量は「ベルマサリ」台木と同程度である(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「トウガラシ安濃4号」は「ベルマサリ」より優れた疫病・青枯病複合抵抗性を有するが、多発ほ場では罹病植物の持ち出し、地温・気温上昇抑制資材の使用、安定的な水分管理、根を損傷させない管理等の耕種的防除と、薬剤・熱水等による土壌消毒の併用が必要である。
  2. 「トウガラシ安濃4号」の育苗時の茎径肥大は「ベルマサリ」より遅いため、「ベルマサリ」より早く播種する必要があり、2月中~下旬接木の場合、10~14日早く播種する。
  3. 「トウガラシ安濃4号」はPMMoV抵抗性を有するが、万願寺トウガラシは抵抗性を持たないので、PMMoVの予防に努めるとともに、発生ほ場での栽培は避ける。
  4. 「トウガラシ安濃4号」は2008年度に品種登録、2009年度から一般に入手可能となる見通しである。
図表1 220148-1.jpg
図表2 220148-2.jpg
図表3 220148-3.jpg
カテゴリ 病害虫 青枯れ病 育苗 台木 抵抗性 とうがらし 土壌消毒 播種 品種 防除 薬剤

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