タイトル |
切り花ボタンの鮮度保持方法 |
担当機関 |
島根県農業技術センター |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
金森健一
小早川洋美
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発行年度 |
2005 |
要約 |
切り花ボタンをポリエチレン製の袋に入れ、密封、脱気ののち暗黒下2~5℃で保存することで、収穫直後の新鮮な切り花を2週間保持でき、開封後は4~5日で満開する。また、容積が小さくなるので輸送効率が高まる。
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キーワード |
切り花、ボタン、鮮度保持、密封、脱気、低温、輸出
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背景・ねらい |
ボタンは島根県の花として、島根県松江市八束町で苗、鉢物を中心に国内生産量の9割以上を占めている。しかし、切り花は輸送中に開花が進むため日持ちが悪いことや、出荷時の容積が大きくコスト高になるため、需要や販売先が限られ、生産量が伸び悩んでいた。そこで、保存日数を延ばし、輸送効率を高める方法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 十分に予冷、水揚げした切り花ボタンを、ポリエチレン製の袋に入れ、密封、脱気(90%以上)し、2~5℃の暗黒下で保存することで、収穫直後の新鮮な切り花が2週間保存できる(表1、写真1、2、3)。
- 脱気によりポリエチレン製の袋が切り花に密着して覆うので、輸送中や保存中に葉や蕾を傷めない(写真1)。
- 乾式状態のため袋の横詰めや積み重ねが可能であり、かつ脱気により袋の容積が減少することから輸送効率が向上する。
- 開封後、満開になるまでの日数は、温度20℃、湿度70%の条件下で4~5日であり(表1、写真2)、一般的な切り花ボタンと大差ない。
- この技術により切り花ボタンの海外輸出が可能になり、くにびき農業協同組合(島根県松江市)は既に海外(台湾、ベトナム)へ輸出している。
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成果の活用面・留意点 |
- 最適な切り前および密封時期は破らい直前~花弁が見え始める頃で、ほぼすべての品種で活用できる(写真1)。なお、2℃4週間処理は出庫後葉や花弁の萎れが大きく(表1)、有色系品種の一部で花色が薄くなる恐れがある。
- 遠隔地の生花店や消費者へ直接出荷するために、輸送および保存は常に低温条件(約5℃)を保つことが必要である。
- 開花日を慶事やイベントなど設定した日に合わせることが可能になる。
- 本技術で増加する費用(包装費等)は、輸送効率の向上による輸送費の減少でほぼ相殺される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
出荷調整
品種
ぼたん
輸出
輸送
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