オリエンタルハイブリッドリリーの切り下球利用技術

タイトル オリエンタルハイブリッドリリーの切り下球利用技術
担当機関 高知農技セ
研究期間 1999~2004
研究担当者 二宮千登志
高野恵子
発行年度 2005
要約 ‘マルコポーロ’等の1月以降に採花した切り下球を平均採花日の4~6週間後に掘り上げ、品種や茎軸の伸長の有無に応じた冷蔵処理をすることで、冷凍球の利用が困難な10~12月に定植でき、これにより種苗費の低減と安定生産が可能となる。
キーワード ユリ、切り下球、品種、掘り上げ時期、冷蔵、コスト低減
背景・ねらい オリエンタルハイブリッドリリーの切り花栽培では、近年、生産費の低減のために切り下球を利用する農家が増加し始めており、冷凍球の利用が難しい10~12月に主に定植している。しかし、毎年導入される新品種では切り下球の利用の適否が不明であり、利用可能な品種においても花らい数の減少や草丈不足等、切り花品質の低下が生じている。そこで、切り下球の利用可能な品種の特性を把握するとともに、10~12月の定植で花らい数が多く、草丈の長い切り花を安定して生産できる技術の確立を図る。
成果の内容・特徴
  1. 切り下球が利用可能な品種は「カサブランカ」、「ル・レーブ」、「マルコポーロ」、「メデューサ」、「アスカリ」、「ティバー」および「ティアラ」である。
  2. 年内に採花した株の切り下球では冷蔵中に芽が伸びすぎて花らい数が減少するため、1月以降に採花した株の切り下球を利用する(図1)。
  3. 平均採花日の4~6週間後(概ね採花終了日の2~4週間後)に掘り上げることで切り花用として十分な大きさの切り下球が得られる(図2)。
  4. 花らい数や切り花長から判断すると、1~3月に採花したピンク系品種の切り下球は、13℃で12週間以上予冷した後、2℃で8~16週間冷蔵する(表1)。4~5月に採花した株の切り下球は、13℃で10~12週間予冷した後、「カサブランカ」では2℃で14~12週間(データ省略)、ピンク系品種では2℃で12~10週間本冷して定植する(表2)。なお、掘り上げ時に茎軸が伸びている場合には1~3月に採花した切り下球の冷蔵方法、茎軸が伸びていない場合には4~5月に採花した切り下球の冷蔵方法とし、定植予定日から逆算して冷蔵期間を決定する。
  5. 本技術により、種苗費が10a当たり360千円~720千円削減でき、冷蔵費等の必要経費を差し引いても221~503千円の経費節減となる。
成果の活用面・留意点
  1. 4月以降の高温期に採花した株では切り下球の底盤部が腐敗しやすいため、採花後のかん水を極力避ける。また、掘り上げが遅れると球根が消耗して小さくなる品種があるので注意する。
  2. 貯蔵中の球根腐敗を避けるため、パッキングに用いるピートモスは極わずかに湿らせる。
  3. 適応範囲は高知県内の平坦部オリエンタルハイブリッドリリー生産地域およびそれに準 ずる地域とする。
図表1 220166-1.jpg
図表2 220166-2.jpg
図表3 220166-3.jpg
図表4 220166-4.jpg
カテゴリ 栽培技術 新品種 低コスト 品種 ゆり

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