タイトル |
萎凋細菌病に強いスターチス新品種「紀州ファインホワイト」および「紀州ファインイエロー」の育成 |
担当機関 |
和歌山農総技セ |
研究期間 |
1999~2004 |
研究担当者 |
宮本芳城
古屋挙幸
村上豪完
藤岡唯志
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発行年度 |
2005 |
要約 |
萎凋細菌病に強く、花房が大きくてボリュームがあり、2L率が高いスターチス2品種を育成した。「紀州ファインホワイト」は、がくの色が純白に近い品種で、「紀州ファインイエロー」は、切り花長が長く、がくの色がレモン色の品種である。
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キーワード |
スターチス・シヌアータ、萎凋細菌病、「紀州ファインホワイト」、「紀州ファインイエロー」
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背景・ねらい |
和歌山県はスターチス・シヌアータの生産量が全国第1位であるが、スターチス萎凋細菌病による被害が近年増加しており、深刻な問題となっている。そこで、萎凋細菌病に強い品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
県内で育成された品種や選抜系統をガラス温室で栽培し、ミツバチを放って受粉させた。「紀州ファインホワイト」は1999年に「ホリイケパープル」から、「紀州ファインイエロー」は2002年に「せがわ」から採種し、その後代から選抜した品種である。 - 特性
(1)スターチス萎凋細菌病抵抗性程度 「紀州ファインホワイト」の萎凋細菌病抵抗性程度は、「ミルキーウェイ」や「アクアブルー」より強い。また、「紀州ファインイエロー」は、「サンデーラベンダー」より強く、「クリスタルイエロー」と同程度の強い抵抗性を示す(表1)。 (2)生育・切り花特性 育成した2品種は、草丈が100㎝を超える高性であり(表2)、花房数が10~12前後あり、花房も比較的大きく、ボリュームがある。がくの色は、「紀州ファインホワイト」が純白に近く(JHSカラーチャート黄白;2902)、「紀州ファインイエロー」はレモン色(同浅緑黄;2904)である。「紀州ファインイエロー」は、切り花長が94.7㎝で長い(表3、図1)。 (3)収量性 「紀州ファインホワイト」の収量性は中程度で、「紀州ファインイエロー」はやや多収性である。育成した2品種は、花房の形が乱れにくく、2L率が高い(表3)。 - 区別性
「紀州ファインホワイト」は、「ミルキーウェイ」や「リウスホワイト」と比較して、茎の太さ、茎の硬さ、翼の発生程度で区別性が認められる。「紀州ファインイエロー」は、「クリスタルイエロー」と比較して、草丈、花冠の色で、「ムーンエーゼ」と比較して、茎の太さ、茎の毛じの多少で区別性が認められる。
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成果の活用面・留意点 |
- 品種登録に出願公表されている(2005年8月10日)。
- 和歌山県のオリジナル品種とするため、栽培は県内に限定する。
- 栽培ほ場の菌密度が高い場合は、萎凋細菌病が発生することがある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
カラー
くり
受粉
新品種
スターチス
多収性
抵抗性
品種
ミツバチ
ラベンダー
レモン
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