ナシ「おさゴールド」の摘らい・摘花による作業時間の平準化と大玉生産

タイトル ナシ「おさゴールド」の摘らい・摘花による作業時間の平準化と大玉生産
担当機関 鳥取園試
研究期間 2002~2004
研究担当者 吉田 亮
池田隆政
北川健一
発行年度 2005
要約 自家和合性のナシ「おさゴールド」は結実数が多く、摘果が遅れると小果になりやすいが、摘らい、摘花と仕上げ摘果を併用することで、摘果に集中する作業時間を分散でき、大果生産が可能となる。
キーワード ニホンナシ、自家和合性、摘果、摘花、摘らい、作業時間
背景・ねらい 自家和合性のニホンナシ、「おさゴールド」は人工受粉が必要ない反面、花のほとんどが結実するため、摘果が遅れるほど小果となりやすい。また、自家不和合性品種(「二十世紀」等)に比較して、摘果の所要時間が3~4割余計にかかる。5月上・中旬は、摘果と小袋掛け作業が集中する時期であり、摘果作業の増大は問題である。そこで、摘らいおよび摘花で予備的に結実数を制限することにより、作業時間の分散と果実肥大の促進を図る。
成果の内容・特徴
  1. 着果管理に要するトータルの所要時間は、摘果のみで着果管理する場合と比べて、摘らいと仕上げ摘果を組み合わせた場合、60%程度に低減される。一方摘花と仕上げ摘果を組み合わせた場合では18%程度増大する(図1)。しかし、摘らい、摘花のいずれも、その後の仕上げ摘果に要する時間を4割程度まで低減できるので、摘果に集中する作業時間のピークを、開花前~開花の時期に分散できる。
  2. 摘らい、摘花で1果そう当たりの開花数を3花程度に制限しておくことにより、摘果のみで対応する方法に比べて、果実肥大が促進される(図2)。
  3. 着果管理の方法に関わらず、仕上げ摘果の時期が遅れるほど果実肥大が劣る傾向がみられるが、摘らい、摘花によって、小玉化の程度が軽減される(図2)。
  4. 無処理果そうの花と摘らいおよび摘花した残存花の結実率は、ほぼ100%に近く、摘蕾と摘花は結実率に影響しない(データ省略)。
  5. 摘らい、摘花処理は、収穫果の果色、糖度に顕著な影響を及ぼさない。また、変形果の発生もほとんど助長しない(データ省略)。
成果の活用面・留意点
  1. 摘らいは満開7日前から、摘花は満開後3日程度まで実施できるが、つぼみを指で押さえて折り取る摘らいの方が容易で能率がよい。可能な限り摘らいで対応し、間に合わない場合に摘花する。
  2. 摘らいは、花の番花を見きわめず、片側半数程度の蕾を除去する。但し、子花(混合芽の葉芽が花芽分化したもの)がある場合は、同時に除去する。
図表1 220179-1.jpg
図表2 220179-2.jpg
カテゴリ 受粉 品種

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