タイトル |
ガムテープを用いたナシの落果防止対策 |
担当機関 |
岡山農総セ |
研究期間 |
2004~2004 |
研究担当者 |
藤井雄一郎
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発行年度 |
2005 |
要約 |
晩生ナシの台風対策としてガムテープで果実を枝に固定する方法は、作業が容易である上に慣行のネットやひもを用いた吊り上げ法と同等の落果防止効果がある。
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キーワード |
ナシ、台風、落果防止、ガムテープ
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背景・ねらい |
ナシは台風などの強風による落果が多く、深刻な被害を受けることがある。落果防止対策として、ネットやひもを用いた吊り上げを行っているが、作業が煩雑で時間がかかり、緊急の場合には全ての果実に対応しきれないことがある。そこで、より省力な対策として、ガムテープを用いた落果防止法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ガムテープ(通称)は布タイプ(正式には布粘着テープ)を用い、袋上部片側から、短果枝上面を覆うように接着し、さらに袋の反対側に接着させる(図1)。ガムテープは長さ約10~15cm、幅は約1.5~2.5cmに裂きながら貼り付ける(図2)。
- 本法は慣行のネットやひもを用いた吊り上げ法に比べて作業時間が短かく、容易である(表1)。
- 2004年9月6日にガムテープを‘新高’の果実に処理した。その後、9月7日の台風18号、9月29日の台風21号による強風被害によって、無処理区では3割近く落果したが、本法では落果がなかった(表2)。
- ヒモ区では、果実表面に食い込んだ痕跡が残る果実があるが、本法では果面の傷み、痕跡は認められない(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 5cm幅、25m巻きのガムテープを使用し、1/3(幅約1.5cm)に裂いた場合は一巻きで約500個、1/2(幅約2.5㎝)に裂いた場合は約330個の果実固定が可能である。
- 9月以前に処理する場合の接着耐久性は未検討である。
- 接着作業時に果実袋が濡れていると、ガムテープと接着しなくなることから、降雨前に処理する必要がある。
- 収穫時には果実に片手を添え、果梗部付近の隙間から袋に沿って指を入れて外すと短果枝の欠損はない。収穫作業はヒモ固定よりは容易である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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