ブドウ「デラウェア」の加温栽培向き台木品種

タイトル ブドウ「デラウェア」の加温栽培向き台木品種
担当機関 島根農技セ
研究期間 2003~2005
研究担当者 大野泰司
山本孝司
倉橋孝夫
発行年度 2005
要約 ブドウ台木「1202」「5BB」「110R」「5A」「LN33」は、地温15℃程度で新根発生が良好で、細根が幹元近くから発生しやすい特性を持つ。これらの台木品種は、生育初期の新根発生量や「デラウェア」の新梢伸長が良好になり、加温栽培に適する可能性が高い。
キーワード ブドウ、「デラウェア」、加温栽培、台木、根
背景・ねらい ブドウ「デラウェア」の早期加温栽培では、生育初期に地温が低いため新根の発生が劣り、根の養水分吸収が緩慢になり易く、発芽の不揃いや初期生育の不良などの原因の1つとなっている。そこで、低い地温でも新根が発生しやすい台木品種を用いることによって、初期生育を良好にし、果実収量および品質の向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. ブドウ台木の発根特性は、喬性台、準わい性台、わい性台による関係は認められないが、細根の発生部位に品種間差違があり、太根が多く先端に集中する品種、先端から中間部に多い品種、幹元から先端まで全体に発生する品種の3群に分類できる(図1、表1)。
  2. 室温が10℃では全ての台木品種において発根は認められず、15℃での発根率は「1202」「5BB」「5C」「110R」「5A」および「LN33」で90%以上であり低温条件下での新根発生が優れる。室温が20℃以上では、乾燥により枯死した根があったが、概ね80%以上の発根率を示し、品種間差は縮まる傾向がある(表2)。
  3. 室温15℃条件下で新根発生が良好な台木品種のうち「1202」「5BB」「110R」「5A」および「LN33」は、細根が幹元近く(全体)から発生しやすく生育初期の新根発生や新梢伸長が良好になると推測され、加温栽培に適する可能性が高い。
成果の活用面・留意点
  1. 加温栽培向き台木品種を用いることによって、発芽不揃いや初期生育不良、樹勢衰弱を軽減できる可能性がある。
  2. 慣行の生育適温よりも低い温度で管理できる可能性があり、燃料費の節減等生産コストの低減による収益増加が見込める。
  3. 台木の特性を生かすことによって、樹勢制御による着果率向上や着色促進など「デラウェア」以外の品種においても応用できると考える。
  4. 台木品種と果実品質の関係について継続して調査を行い、さらに品種の絞り込みを行っていく。また、生育適温以下で管理を行う低温管理栽培体系についても検討する。
図表1 220187-1.jpg
図表2 220187-2.jpg
図表3 220187-3.jpg
カテゴリ 乾燥 コスト 栽培体系 台木 着色促進 品種 ぶどう

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