育種改良の進んだブロイラーの飼料給与方法

タイトル 育種改良の進んだブロイラーの飼料給与方法
担当機関 鳥取中小試
研究期間 2004~2004
研究担当者 生田泰子
三浦泰忠
小峯範公
発行年度 2005
要約 発育が向上したブロイラーへの給与飼料は、4日齢から34日齢の代謝エネルギー含量を従来より低くすることにより、循環器障害による死亡の減少や過剰な腹腔内脂肪沈着の防止を図ることが可能である。
キーワード ニワトリ、肉用鶏、ブロイラー、給与飼料、代謝エネルギー
背景・ねらい 県内のブロイラーの殆どを占めるC社のブロイラーは、平成16年夏の餌付け分ひなから、すべて米国由来に切り換わった。この米国由来ブロイラーの特徴は、優れた増体性や飼料要求率、肉の歩留まりの良さがあるが、反面、初期の発育速度が速いために飼料摂取量が多くなり、従来の飼育方法では、28日齢以降に循環器障害や脚弱等の発生による育成率の低下が懸念されている。そこで、育種改良の進んだブロイラーの潜在能力を発揮させるとして推奨される配合飼料とその給与体系について、従来からの飼料給与法と比較を行い(図1)、栄養水準の差が育成率、疾病の発生等におよぼす影響について調査する。
成果の内容・特徴
  1. 体重は全日齢において両区の有意差は認められなかったが、試験区は14日齢以降対照区と比較して体重が小さく推移する傾向であり、55日齢時試験区3,750g、対照区3,888gである(表1)。
  2. 55日齢までの育成率は試験区90.6%で対照区の81.9%より有意に高く、死亡原因は20日齢までは腹膜炎及び事故等による死亡、21日齢以降は循環器障害(ポックリ、腹水症)による死亡及び脚弱による淘汰が多く、循環器障害の死亡の発生率は、試験区3.8%、対照区11.9%で、死亡原因の半数以上である(表2)。
  3. 循環器障害による死亡鶏は、14日齢から28日齢の体重推移が対照区の平均体重に比べ3~4%高く推移する傾向であったが、顕著な差は認められない。
  4. 全期間の飼料摂取量は、試験区6,892g/羽で対照区7,023g/羽で、試験区が若干少ない傾向であったが(表2)、55日齢での飼料要求率は試験区1.81と対照区1.76であり、顕著な差は認められない。
  5. 55日齢時のと体・・成績(平均体重に近い各区10羽抽出)は、腹腔内脂肪のと体重・・・割合が試験区は1.7%、対照区は2.5%であり、試験区は有意に低くなる。
  6. 飼料価格56円/kgの場合、試験区は49日齢、対照区は42日齢で収益指数が高く、試験区は対照区より収益指数が高い傾向である(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. C社のブロイラー(平成16年夏以降のコマーシャルひな)の飼料の指定配合の参考になる。
  2. C社のブロイラーに適用される飼育方法であるため、他社のブロイラーへの利用はできない。
図表1 220202-1.jpg
図表2 220202-2.jpg
図表3 220202-3.jpg
図表4 220202-4.jpg
カテゴリ 育種 くり

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