タイトル |
水田畦畔法面管理作業を省力・軽労化するための簡易作業道造成法 |
担当機関 |
鳥取県農業試験場 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
三谷誠次郎
|
発行年度 |
2006 |
要約 |
急峻傾斜果樹園の狭幅作業道造成用に開発された歩行型管理機は、棚田畦畔法面への作業道造成にも 応用できる。作業道の設置により長大な畦畔法面における草刈り等の作業を軽労化できる。
|
キーワード |
法面管理、省力化、軽労化、作業道、造成
|
背景・ねらい |
刈払機等による棚田畦畔法面の草刈り作業は多労かつ危険である。そこで、急峻傾斜果樹園の 狭幅作業道造成用に開発された歩行型管理機を棚田畦畔法面に適用し、草刈り作業の省力・軽労化を図る。
|
成果の内容・特徴 |
- 水田法面への作業道造成は、急峻傾斜果樹園用に開発された狭幅作業道造成機(歩行型管理機 MRV2VHS、逆転ロータリ、片排土)を特に改良することなく行うことができる (図1)。
- 作業道を設置する法面は、事前に草刈り作業を行い、刈り草は集草もしくは持ち出しした状態とし、 設置間隔は、それまでの現地農家による草刈り作業時の足場位置の痕跡に習って、おおむね2m程度 (刈払機作業範囲)とする。
- 前後進1~2回の往復作業を行うことで、幅20~25cmの作業道の造成が行える。100m当たりの 作業時間は、17分~28分程度である(図2)。
- 掘削場所にこぶし大以上の石が埋没していたり、葛の太い根などがあると法面の掘削が不十分となり、 滑落等の危険が生じるので、本機の中央にロープをくくりつけ補助者が法面の上側から補助して安全を 確保する(図3)。
- 作業道の設置により安定した足場が確保され、草刈り作業中の心拍数の上昇が抑えられ、作業負担が 軽減できる(図4)。
- 法尻位置の作業道造成は、草刈り作業のみならず、本田管理作業の足場ともなり有効である。
|
成果の活用面・留意点 |
- 狭幅作業道造成機及び技術は、四国農業試験場(現:近中四農研セ、平成11年度四国農業研究成果情報) が開発したものである。
- 造成作業を行った現地の法面傾斜度はおおむね37度前後~42度で、現地農家の草刈り作業の足場痕跡は ほぼ水平であり、その間隔は1.8~2.5mである。
- 掘削が不十分となる箇所では、無理をせず停止後退などして対処する。
- 鶴嘴等でも除去できない大きな石のある場合は無理をせず図3のような安全策を行い前進し、支障の ない位置から作業を再開する。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
くり
軽労化
省力化
水田
|