タイトル |
鉢花シクラメン高品質生産のための窒素形態の好適成分比 |
担当機関 |
奈良農総セ |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
角川由加
前田茂一
仲照史
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発行年度 |
2006 |
要約 |
シクラメンでは液肥施用時の窒素成分の硝酸態およびアンモニア態窒素の成分比を7:3に 調製した液肥を施用して栽培すると生育が良好となり、出荷後の鉢花品質を高く維持することができる。
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キーワード |
シクラメン、鉢花品質、施肥、窒素形態
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背景・ねらい |
シクラメン産地では鉢花品質の向上、すなわち良好な生育と出荷後の観賞持続性の両立が 望まれている。これまで、栽培期間中の施肥量や液肥中の窒素成分が、生育だけでなく出荷後の観賞持続性に 大きな影響を及ぼすことを明らかにした。 ここでは、鉢花外観の高品質化と出荷後の観賞持続性を高めることを目的とし、液肥施用時の 主要窒素成分である硝酸態およびアンモニア態窒素の成分比について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 液肥施用時の硝酸態窒素の成分比を高めることによりシクラメンの草丈、草冠径、葉数等が 増加する傾向が見られるとともに、葉色が濃くなる。さらに、当量重換算で硝酸態窒素:アンモニア 態窒素=7:3の成分比の液肥を施用することにより、草丈、草冠径、葉数に加え花芽数等が増加し、 外観品質をいっそう高めることができる(表1)。
- 観賞条件を想定したリファレンスルームにおける黄化葉の発生数は、硝酸態窒素の成分比を 高めるほど少なくなる(図1左)。
- 観賞可能な開花数は硝酸態窒素の成分比を高めすぎると減少しやすく、硝酸態窒素:アンモニア 態窒素の成分比を5:5もしくは7:3にすることにより、相対的に長く維持される (図1右)。
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成果の活用面・留意点 |
- 液肥はあらかじめ濃縮液を作成しておき、希釈機を用いて100倍に薄めて使用する。そのため、 実際に施用する液肥中の窒素濃度は硝酸態窒素とアンモニア態窒素の総量で200ppmとし、リン酸は 100ppm、カリとカルシウムは120ppm、マグネシウムは20ppmとする。
微量要素は施用濃度が鉄3ppm、ホウ素0.5ppm、マンガン0.5ppm、亜鉛0.05ppm、銅0.02ppm、モリブデン 0.01ppmとなるように調整して施用する。 - 液肥施用は8月中旬から出荷直前の12月上旬までとする。 また、給水方式はマット給水あるいは ホースでの頭上給水とし、施用頻度は1週間に1回で、上記混合液を5号鉢の鉢上部より培養土へ 100mlずつかん注する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
シクラメン
出荷調整
施肥
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