ヒペリカムの11~6月出し二度切り栽培技術

タイトル ヒペリカムの11~6月出し二度切り栽培技術
担当機関 高知農技セ
研究期間 2005~2005
研究担当者 平石真紀
西内隆志
発行年度 2006
要約 ヒペリカムを、6~8月に定植し、9月中旬までに摘心を行い、最低夜温12℃、3時間の暗期中断で 栽培すると、11~1月と4~6月の2回の収穫ができる。11月収穫ではシングルタイプが多く、 それ以降では、スプレイタイプの品質のものが収穫できる。
キーワード ヒペリカム、二度切り栽培、摘心、仕立て、電照
背景・ねらい ヒペリカムは、国内では夏~秋にかけて出荷される有望な露地品目であるが、出荷時期の集中などに より生産が拡大していない。一方、国内産の出荷がない時期には、輸入品が流通しており、価格も安定 している。そのため、産地では周年需要のあるヒペリカムの施設での冬春出しが検討され始めた。
そこで、新たな品目として、高収益が期待できる加温電照栽培による冬~夏の二度切り栽培技術を 確立する。
成果の内容・特徴
  1. 定植・収穫:6~8月に定植すると、1番花は11~1月に、2番花は4~6月に収穫できる (表1)。
  2. 摘心:スプレイタイプの1番花を収穫するためには、7~8月に定植し、定植30~60日後に摘心する (表2)。
  3. 仕立て本数:(うね幅1.2m、株間30cm、2.2株/m2では)1番花は、株当たり4本 (8.9本/m2)に、2番花は、株当たり6本(13.2本/m2)とすると収穫本数は やや少なくなるものの、スプレイタイプの品質の良い切り花が収穫できる (表1)。
  4. 電照:暗期中断3時間とし、9月中旬までに開始すると年内に収穫できる (表3)。
  5. 6月に定植して11月に収穫する作型の切り花は、側枝のないシングルタイプとなりやすいが、 それ以降の作型では、スプレイタイプのものが収穫できる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 挿し木は、1節葉展開した挿し穂を定植の30~40日前にトンネル内に行う。挿し木後、20~30日後に 鉢上げし、鉢上後10日程度で定植する。
  2. 栽植密度は、うね幅1.2~1.5m、株間30cmの1条植えとする。栽植本数は、2.2~2.8株/m2 とする。
  3. 夏場の株枯れを防ぐために強摘心をさけ、地際から5~6節程度の高い位置で摘心する。なお、1番 花収穫後は、収穫枝の基部を1~2節残して刈り込む。
  4. 元肥は、N成分量で5kg/10a程度、追肥は発蕾までにN成分量で0.5kg/10aを3回程度施用する。
  5. 温度度管理は、夜温は12℃、昼温は25℃を目標に管理する。高品質な切り花にするため、定植から 9月までは遮光等を行い、できるだけ昼温を下げる。
図表1 220279-1.jpg
図表2 220279-2.jpg
図表3 220279-3.jpg
カテゴリ 栽培技術 挿し木 出荷調整 ヒペリカム

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