ポットハボタンの要素障害

タイトル ポットハボタンの要素障害
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2004~2006
研究担当者 石川順也
小山佳彦
発行年度 2006
要約 ポットハボタンのカルシウム欠乏では生育不良と下位葉の枯死、ホウ素欠乏では上位葉の生育不良、 根の発達抑制が認められる。マグネシウム欠乏では下位葉の黄斑、鉄欠乏では上位葉のクロロシスが顕著で ある。マンガン過剰では褐色小粒斑点が発生する。
キーワード ポットハボタン、要素障害、生育不良、クロロシス
背景・ねらい ポットハボタンは他の花壇苗に比べて地上部重が大きく、限られた用土量でのポット栽培では 要素障害が生じやすい。踊りハボタン等生育期間が長期化する生産が増え、ピートモス主体の用土では 塩基置換容量が小さく溶脱に伴う要素欠乏が発生しやすい。そこで、水耕栽培によりカルシウム、 マグネシウム、鉄、マンガン、ホウ素の欠乏及び過剰の障害を発生させ、生産現場での障害の診断に 活用する。
成果の内容・特徴
  1. カルシウム欠乏では上位葉の展葉阻害、下位葉の枯れ上がりが顕著である (図1)。ホウ素欠乏においては株全体の外観には大きな影響は ないものの、上位葉におうとつが見られ、形態が一定しない生育不良が見られる (図2)。また、ホウ素欠乏の根部では側根の伸長が停止し、 根系の発達が抑制される(図3)。
  2. マグネシウム欠乏では下位葉にネクロシスがみられるとともに、下位葉から中位派にかけて黄色で 葉脈間のクロロシスが見られるのに対し(図4)、鉄欠乏では 上位葉の葉全体の黄化が鮮明であり(図5)、マグネシウム欠乏の クロロシスとは明瞭に区別できる(図6)。
  3. 鉄過剰では50ppmで株の枯死症状を示し(図7)、 マンガン過剰では200ppmで下位葉に褐色小粒斑点が発生するとともに (図8)、上位葉の生育不良とクロロシスが発生する。 ホウ素50ppmでは葉縁からの白化、枯死が認められない(図9)。
  4. マンガンを含まない培地へ移植後50日間を経ても、障害は認められなかった。
成果の活用面・留意点
  1. 「F1つぐみ」を用いて10月17日から水耕栽培して生じた要素障害である。
  2. ホウ素50ppmであればパンジーなど多くの花壇苗で葉縁からの白化、枯死が顕著に認められる。
図表1 220281-1.jpg
図表2 220281-2.jpg
図表3 220281-3.jpg
図表4 220281-4.jpg
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図表7 220281-7.jpg
図表8 220281-8.jpg
図表9 220281-9.jpg
カテゴリ 水耕栽培 はぼたん パンジー

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