ブドウ「デラウェア」の裂果に及ぼす果粉着生の影響

タイトル ブドウ「デラウェア」の裂果に及ぼす果粉着生の影響
担当機関 島根農技セ
研究期間 2005~2007
研究担当者 持田圭介
永原美里
倉橋孝夫
発行年度 2006
要約 「デラウェア」ではジベレリン後期処理を遅れないように処理し、さらに硫酸マンガンを無加用と することにより果粉着生が促され、表皮細胞が発達し裂果が軽減できる。
キーワード ブドウ、「デラウェア」、裂果、果粉、ジベレリン処理、硫酸マンガン
背景・ねらい ブドウ「デラウェア」の準加温~無加温栽培の作型では、成熟期が梅雨期と重なるため、裂果が 発生しやすく、大きな問題となる場合がある。その原因として、土壌水分に加え、空気中水分の吸収により、粒内の水分が過剰になり、果粒内膨圧に果皮が耐えきれずに発生するものと考えられる。現地圃場では、粉溶脱の激しい園において裂果の発生が多い傾向がみられることから、本試験では果皮の果粉着生程度が 裂果発生に及ぼす影響を検討した。さらに、ジベレリン(以下GA)処理時の硫酸マンガン(以下Mn) 加用方法が果粉着生に及ぼす影響についても検討した。
成果の内容・特徴
  1. 吸水実験では、果粉着生の少ない果粒ほど小果梗や果皮からの吸水が多く、裂果の発生が多かった。 とくに、1g以下の小粒果でその傾向が顕著であった(図1)。
  2. 果粉の着生程度について、硫酸MnをGA前期と後期にそれぞれ加用して比較すると、前期処理区で やや多かった。さらに、GA後期処理時期を開花後12日および25日で比較すると、12日処理区で明らかに 多く、裂果発生が抑制された(表1)。
  3. 果粉着生の優れる果粒の果皮強度は161.8gfで、少ない果粒の141.5gfと比較し有意に高かった (図2)。
  4. 果粉着生の多い果粒は、少ない果粒と比較し表皮細胞の発達が良好であった。とくに、果粒どうしの 接触部分における表皮細胞の厚さは、果粉少着生果粒の38.4μmに対し、果粉多着生が45.5μmと顕著に 優れた(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 粉着生促進には、GA後期処理の早期実施のほか、土壌表面マルチ、袋掛け等による果粒肥大期の房付近における湿度低下対策が有効と考えられる。
  2. 「デラウェア」のゴマシオ型着色不良症状を防止するため、GA後期処理時に硫酸Mnを加用しているが、 処理時期が極端に遅れると果粉着生が明らかに劣るため、必ず開花後10日頃に行うようにする。また、 GA前期処理時に硫酸Mnを加用すると、後期処理と比較し果粉着生は優れるものの、果房内に吸収される Mnが少ないものと推測され、今後開花期の散布処理も含め処理方法の検討が必要である。
図表1 220300-1.jpg
図表2 220300-2.jpg
図表3 220300-3.jpg
図表4 220300-4.gif
カテゴリ ごま ぶどう

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