交互結実による早生ウンシュウミカンの完熟栽培

タイトル 交互結実による早生ウンシュウミカンの完熟栽培
担当機関 山口大島柑試
研究期間 2001~2005
研究担当者 岡崎芳夫
池田行謙
宮田明義
発行年度 2006
要約 早生ウンシュウミカンの半樹結実または交互結実法は浮皮が少なく、高糖度となるS級以下の小玉果生産が できるため、完熟栽培に適する。完熟栽培での浮皮の発生はジャスモン酸とジベレリンの混用散布により軽減される。
キーワード 早生ウンシュウミカン、完熟栽培、交互結実、ジャスモン酸、ジベレリン
背景・ねらい 早生ウンシュウミカンを1月以降に収穫する、いわゆる完熟栽培は各地域で増加しつつあるが、果実の 収穫時期が遅れることから、完熟用の果実が多いほど樹体への着果負担が大きくなり、隔年結果が助長される。 また、糖度の向上や浮皮の面から完熟栽培に適する果実はS級以下の小玉果であり、慣行栽培ではこれらの割合が 低いこともあり、完熟果実の生産は少量に限られる。そこで、早生ウンシュウミカンの安定的な完熟連年生産技術を 開発する。
成果の内容・特徴
  1. 早生ウンシュウミカンにおいて1月に収穫する完熟栽培では、通常の11月収穫に比べて糖度(Brix)が 2~3向上する。しかし、浮皮の発生が増加し、大きい果実ほど発生率も高くなるため、完熟栽培には S階級以下の小玉果が適している(図1)。
  2. 半樹結実または交互結実法は隔年結果対策に有効であり、しかも早生ウンシュウミカンの完熟栽培に 適したS階級以下の小玉果の割合が高い(表1)。ただし、S階級以下の果実を少量残す慣行栽培に比べて、 浮皮の発生が多くなる。
  3. 9月下旬の、ジベレリン5ppmとジャスモン酸25~50ppmの混用散布では、着色が遅延するために 11月出荷は困難となるが、1月以降に収穫する場合には浮皮が軽減され、果皮も完全着色するため、 半樹結実または交互結実法を利用した完熟栽培に有効である (表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 交互結実および半樹結実では、乾燥時には2S未満の果実増加により収量が減少することから、潅水対策が 必要である。また、シートマルチ栽培と組み合わせることで一層の品質向上が図られる。
  2. 鳥害および寒害対策のため、防鳥ネット被覆やテトロントリコット不織布による樹冠被覆、または果実への 袋掛け等を行う。
  3. ジベレリンとジャスモン酸の混用散布処理により、果実への緑斑が残ることがあるが、これは非常に 軽微であり、浮皮の発生による商品性の低下に比べて、その影響は少ない。なお、同剤は 現在植調剤登録試験中である。
図表1 220303-1.jpg
図表2 220303-2.jpg
図表3 220303-3.jpg
カテゴリ 温州みかん 乾燥 出荷調整 鳥害

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