タイトル |
肉用あひる大阪種の肥育に伴う呈味成分と歯ごたえの増加 |
担当機関 |
大阪食とみどり技セ |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
出雲章久
笠井浩司
西岡輝美
安松谷恵子
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発行年度 |
2006 |
要約 |
肉用あひる大阪種の胸肉の遊離グルタミン酸は3から12週の肥育期間に1.5倍に、保水力は約2倍に、 剪断力価は1.5倍に全て増加する。この味や歯ごたえは6週以降も増加しており、高品質なあひる肉の 生産のためには、10週以上の肥育期間が必要である。
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背景・ねらい |
あひるの肥育期間は海外で7週、国内では10~11週と1.5倍の差があり、この間に肉色などの肉質は 大きく変化する。消費者の評価に直結するあひる胸肉のうま味や歯ごたえに関して、呈味成分の 遊離アミノ酸量とイノシン酸量、肉の物性として剪断力価などを測定して、成長に伴うあひる肉の おいしさの変化を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 胸肉から抽出した遊離グルタミン酸は3週の0.65(μmol/g meat)から9週の0.90へと直線的に 増加するが、12週では0.96と増加は鈍る。(図1)
- 3から12週で、遊離アミノ酸の総量20(μmol/g meat)で変化しないが、呈味に関連するアミノ酸の 合計量は8から12(μmol/g meat)と増加傾向を示す。(図2)
- イノシン酸は試験期間を通じて大きな変化を見せず1.5(μmol/g meat)程度で推移する。
- 水分含量は3週の83%から12週の73%へと直線的に減少する。加圧保水力は3週の約41%から 9週の約75%へと著増する。加熱損失率と圧搾肉汁率は6から12週へ直線的に低下する。 (図3,4)
- 剪断力価は6週の2kgfから9週の3kgfへと1.5倍増加し、鶏肉(ブロイラー)から 豚肉(ロース)レベルの歯ごたえに変化する。(図5)
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成果の活用面・留意点 |
- あひる胸肉のグルタミン酸等の呈味アミノ酸、保水力、剪断力価は肥育期間に伴って増加し、 消費者に高く評価される総合的なおいしさが完成する。
- こうした変化は7週では完成しておらず、肉質から見た肉用アヒルの肥育期間は、10週以上 必要である。
- 飼料要求率は7週の3前後から10週の4前後へと大きく低下する。
- 一般の肉用あひるであればこの間に皮下脂肪が大きく増加するが、大阪種での皮下脂肪の 増加率は5%程度低い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
アヒル
鶏
豚
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