タイトル |
黒柏を利用した地どりの肉中の抗酸化性ジペプチド含量 |
担当機関 |
山口畜試 |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
岡崎 亮
関谷正男
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発行年度 |
2006 |
要約 |
黒柏を利用した地どりの胸肉は、抗酸化性ジペプチドであるアンセリンを、ブロイラーの胸肉に 比べて約1.5倍多く含む。
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キーワード |
鶏肉、品質、アンセリン、カルノシン、抗酸化性
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背景・ねらい |
健康志向に対応した畜産物への期待が高まる中で、アンセリンとカルノシンは、抗酸化能や抗疲労作用を 有する機能性ジペプチドとして注目されている成分である。これらは骨格筋、中でも鶏肉中に特に多く 含まれていることから、地どり肉の高付加価値化の可能性を探るために、アンセリンとカルノシン含量の分析を 行う。
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成果の内容・特徴 |
- アンセリンは、地どりの胸肉(浅胸筋)中に1,158mg/100g含まれ、ブロイラーの胸肉の776mg/100gに 比べて、約1.5倍多く含まれる。また、もも肉(半膜様筋)中には499mg/100g含まれ、ブロイラーの 436mg/100gに比べて多く含まれる(表1)。
- カルノシンは、地どりの胸肉及びもも肉中にそれぞれ260、109mg/100g含まれ、ブロイラーの同 380、144mg/100gに比べて少ない傾向にあるが、有意差はない (表1)。
- アンセリンとカルノシンの合計は、地どりの胸肉が1,418mg/100gであり、ブロイラーの 1,160mg/100gに比べて多い。また、もも肉では、それぞれ607、580mg/100gと地どりの方が多い傾向に あるが、有意差はない(表1)。
- 以上より、地どりの胸肉及びもも肉は、ブロイラーに比べて機能性成分であるアンセリンを多く含み、 健康機能面で差別化することができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 機能性成分を多く含むとして、地どりの肉の高付加価値化ができる。なお、本実験に用いた地どりは、 交配様式が[シャモ×[黒柏×ロードアイランドレッド]]×ホワイトロックで、当場で84日間肥育したもので あり、ブロイラーには、県内の養鶏農協で生産されたホワイトロックを用いた。
- 機能性成分を多く含むことは明らかになったが、これらが実際に機能性(ここでは抗酸化性)を 発現するかについては未調査である。
- アンセリン及びカルノシンは、胸肉(浅胸筋)ともも肉(半膜様筋)からスルホサリチル酸で抽出し、 アミノ酸分析計(日本電子JLC-500)で分析した。
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図表1 |
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カテゴリ |
機能性
機能性成分
高付加価値
鶏
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