タイトル |
てん茶の茎を利用したテアニン豊富な加工食品 |
担当機関 |
京都茶研 |
研究期間 |
2004~2005 |
研究担当者 |
木村泰子
矢野早希子
南野貴志
堤保三
余座敏和
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発行年度 |
2006 |
要約 |
てん茶の茎はリラックス効果のある機能性成分として注目されるテアニンを豊富に含んでおり、 茎の粉砕物・抽出物を利用するとテアニン豊富な加工食品ができる。
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背景・ねらい |
てん茶の茎の乾燥物は、リラックス効果のある機能性成分として注目されるテアニンを豊富に 含んでいるが、茎臭が強いため現在は焙じ茶原料としてのみ活用されている。 しかし、テアニンは、焙じ工程で行う強い加熱により分解し、有効利用できていないことから、テアニン 残存率の高い新しい利用法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- てん茶の茎(自然仕立て、以下同じ)を通風乾燥機により100℃60分、100℃90分、120℃30分、 120℃45分の条件で加熱すると、茎臭や茎味が除去でき、適度な火入れ香味が発揚する。また、 これら条件ではテアニン含量は加熱前と比べ80%以上残存する (表1)。
- てん茶の茎を120℃30分で加熱処理した後、粉砕した粉末(355μm篩下)を利用し、加工食品を 作ると、食パンでは5~7.5%(小麦粉に対する添加量)、クッキーでは8%(同)添加したものが優れる。 いずれも、テアニンは配合した元の量に対して70%以上残存する (表2)。
- 水に対し、10%のてん茶の茎を加え、40℃20分攪拌抽出した液を用いて梅漬けを作ると、 グルタミン酸ソーダ(表中Glu-Na)を用いたものとほぼ同等の評価が得られ、天然の調味料として 使用できる(表3)。
- 牛乳に対し、10%のてん茶の茎を加え、40~70℃で20分浸漬抽出した牛乳を用いてアイスクリームを 作ると、テアニン含量が100mg/100g以上の製品が得られる。また、官能検査の項目毎にパネルの評価が 分かれたことから、抽出の温度を変えることで、消費者の求める味作りに応じた製品開発が可能である (表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 茎中に含まれるテアニン含量は、茶園の仕立て方法により異なり、弧状仕立ての試料の方が 自然仕立ての試料より少ない。
- 目的に応じた粉砕及び篩い分け方法を選択する必要がある。
- 茎の粉砕物を添加したクッキーが既に市販されている(京都府八幡市)。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
乾燥
機能性成分
くり
小麦
茶
てん茶
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