牛糞堆肥を連用する飼料用稲「クサノホシ」の省力的乾田散播直播栽培技術

タイトル 牛糞堆肥を連用する飼料用稲「クサノホシ」の省力的乾田散播直播栽培技術
担当機関 広島農技セ
研究期間 2003~2006
研究担当者 前田光裕
貝淵由紀子
金本健志
谷本俊明
下澤秀樹
発行年度 2006
要約 飼料用稲「クサノホシ」を乾物収量1.2t/10a以上得る省力的な栽培法は、乾田直播で牛糞堆肥を5t/10a、被覆尿素肥料をN8kg/10a施用し、鳩胸状態の催芽籾8kg/10a(乾籾換算)を散播して浅耕し、走り水を行い、出芽揃後に湛水し、除草剤を2回施用する体系で行う。
キーワード 飼料用稲、クサノホシ、乾田直播、散播、省力、牛糞堆肥
背景・ねらい 広島県における大家畜の粗飼料自給率は18.1%(H15年)と低く、家畜糞尿の処理も問題となっている。そこで、粗飼料の自給率向上と家畜糞尿の循環利用のため、耕畜連携により大区画の生産調整水田に牛糞堆肥を還元し、飼料用稲を省力的に生産する乾田散播直播栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 飼料用稲「クサノホシ」の乾田散播直播栽培の作業工程および必要な作業機械を図1に示す。春季に牛糞堆肥(N現物0.7~0.75%)を5t/10a施用し、雑草と共に耕起・埋没させる。播種前に被覆尿素肥料(リニア100日型)をN8kg/10a散布後耕起し、発芽を促すために鳩胸状態に催芽した籾8kg/10a(乾籾換算)をブロードキャスター(揺動スパウト式)により均一に散播する。その後、爪が土中に7cm入るように尾輪により調整したドライブハローで浅耕すると、70%以上の種子は土中深3cm以内に分布する。額縁および40~50m間隔で明渠を施工後、出芽を促すために走り水を行い、出芽揃後に湛水する。これらにより、苗立率75%以上の確保が可能である。
  2. 雑草防除は、湛水前(播種後14日頃)にビスピリバックナトリウム塩液剤を処理し、出芽揃(播種後20日頃)に湛水してダイムロン・メフェナセット・ベンスルフロンメチル1キロ粒剤を処理する。この2回体系により慣行の3回体系と同等の効果がある(表1)。
  3. 目標乾物収量1.2t/10a以上得るためには、苗立数は200本/㎡程度必要(図2)であり、この場合の播種量は鳩胸状態の催芽籾8kg/10a(乾物換算、1000籾重30g、現物約10kg/10a)である(表2)。
  4. 大区画圃場における乾田散播直播の主な作業時間は、堆肥散布から耕起に10a当り0.5時間、種子準備に1.4時間、施肥・散播から走り水に2.5時間、除草剤・水管理に0.7時間、計5.1時間を要し、飼料用稲乳苗移植栽培より3.5時間/10a少ない。
成果の活用面・留意点
  1. この結果は減水深の大きい56aの現地圃場(標高375m)で堆肥を3年間連用し、5月28日~6月2日播種により得られたものである。
  2. 普及対象は標高500m以下の地帯である。
  3. 播種前耕起は砕土率が70%以上となるよう土壌水分が適正な時に行う。
  4. .降雨等により土壌水分が高い場合、鳩胸状態の籾に重量比0.5倍の鉄コーティングを行い、代かき後に湛水表面散播直播を行う。詳細はマニュアル「鉄コーティング湛水直播」(近中四農研センター)を参考とする。
  5. 乾物収量1.2t/10aは助成金が3万円/10aに減額されても所得がプラスとなる目標値である。
図表1 220333-1.jpg
図表2 220333-2.jpg
図表3 220333-3.jpg
図表4 220333-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 乾田直播 雑草 直播栽培 除草剤 飼料用作物 水田 施肥 播種 水管理

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