タイトル |
酸性電解水散布によるトマト、キュウリうどんこ病の防除 |
担当機関 |
大阪食とみどり技セ |
研究期間 |
2004~2005 |
研究担当者 |
草刈眞一
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発行年度 |
2006 |
要約 |
発病初期からの酸性電解水(強酸性電解水:pH2.7、有効塩素濃度40ppm)を散布することで うどんこ病の防除が可能である。防除効果は、散布間隔が短いほど高く、有効な散布間隔は3-5日であった。 作物への薬害は認められず、発病初期から予防的に散布することで発生を防止できる。
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キーワード |
酸性電解水、うどんこ病、防除
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背景・ねらい |
環境保全型病害防除技術として、既存の農薬を用いないで、作物に付着した病原菌を殺菌し、 病害発生を防止できる技術が求められている。酸性電解水は、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムの 希薄な水溶液を直流で電気分解して得られる、次亜塩素酸を含んだ、高酸化還元電位、低pHの水溶液で、 微生物に対して高い殺菌活性を有している。酸性電解水の殺菌成分は次亜塩素酸で、容易に分解することから 安全性は高く、農薬にかわる安全な病害防除資材として注目されている。トマト、キュウリの地上部病害の 防除資材としての酸性電解水の防除効果を検討し、環境保全型防除資材としての実用性を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ホシザキ電気(株)より提供された酸性電解水生成装置により得られた酸性電解水 (0.1%の塩化カリウムを15V、10mAの直流で電気分解)は、灰色かび病菌、炭そ病菌等多くの 植物病原菌に対して高い殺菌効果を示す。
- キュウリうどんこ病に対するミクロブタニル剤(ラリー乳剤)との防除効果を比較したところ、 発病初期からの散布で、ほぼ同等の防除効果が得られる(第1表)。
- トマトのどんこ病に対して、酸性電解水の散布間隔(第1図) と防除効果について検討したところ、散布間隔が3日、5日、7日で防除価が、 それぞれ83.3、75.3、54.7となり、うどんこ病に対して高い防除効果を示すテトラコナゾール液剤の 防除価91.6よりは劣るが、3、5日間隔では、70以上の防除価が得られ (第2表)、実用性がある。
- キュウリ、トマトとも酸性電解水散布による薬害は認めない。
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成果の活用面・留意点 |
- 酸性電解水によるトマト、キュウリのうどんこ病で防除効果を検討したところ、 発病初期(発病葉率5%以下)からの散布で、防除が可能である。
- 有効な防除を得るには、散布間隔は5日以内とすること、また、多発条件下では防除効果が得られない。
- 農作物の防除に利用するには、農薬登録、または、特定農薬としての認定が必要。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
うどんこ病
きゅうり
特定農薬
トマト
農薬
防除
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