昆虫病原糸状菌Nomuraea rileyiと混用可能な殺菌剤、展着剤の選定

タイトル 昆虫病原糸状菌Nomuraea rileyiと混用可能な殺菌剤、展着剤の選定
担当機関 滋賀農技振セ
研究期間 2005~2007
研究担当者 江波義成
川村容子
保積直史
発行年度 2006
要約 殺菌剤のオキソリニック酸、プロシミドン、展着剤のソルビタン脂肪酸エステル・ポリオキシエチレン 樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・リグニンスルホン酸カルシウム、 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルは、昆虫病原糸状菌Nomuraea rileyiと混用しても、 ハスモンヨトウに対する殺虫活性を低下させない。
キーワード 昆虫病原糸状菌、Nomuraea rileyi、殺菌剤、展着剤、混用、殺虫活性
背景・ねらい 昆虫病原糸状菌Nomuraea rileyi は、ダイズやキャベツの重要害虫であるハスモンヨトウや ウワバ類などの鱗翅目幼虫に対し、殺虫活性があることが知られている。N.rileyiを防除資材として ほ場で用いる場合、殺菌剤や展着剤との混用が想定される。そこで、キャベツでの主要な殺菌剤13剤、 展着剤4剤を供試し、N.rileyiのコロニー形成と殺虫活性に対する影響を調べることで、 本菌と混用可能な剤を選定する。
成果の内容・特徴
  1. 供試剤を添加したSabouraud麦芽糖培地上のN.rileyi(SgNr-04T株)の コロニー形成数を調べたところ、供試殺菌剤13剤中、9剤はコロニー形成を100%阻害する。 また、供試展着剤の4剤中1剤がコロニー形成を99.5%阻害する(表1)。
  2. コロニー形成が確認された各剤をN.rileyi分生子懸濁液(1×107分生子/ml)に添加し、 ハスモンヨトウ3齢幼虫に接種すると、その死虫率は対照区に比べて、バリダマイシンでは約20%、 塩基性硫酸銅では約40%低下する。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル・ポリナフチルメタンスルホン酸 ジアルキルジメチルアンモニウムでは殺虫活性がなくなる(図1)。
  3. 以上の結果から、殺菌剤のオキソリニック酸、プロシミドン、展着剤のソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・ リグニンスルホン酸カルシウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルは、N.rileyi 分生子懸濁液に混用しても殺虫活性は低下しない。
成果の活用面・留意点
  1. 供試したN.rileyiは、平成18年12月現在、農薬取締法に基づく農薬登録がされて いないため、試験研究以外では使用できない。
図表1 220352-1.jpg
図表2 220352-2.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 キャベツ 大豆 農薬 防除

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