小麦「ニシノカオリ」における赤かび病防除同時尿素葉面散布による開花期追肥

タイトル 小麦「ニシノカオリ」における赤かび病防除同時尿素葉面散布による開花期追肥
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 2003~2005
研究担当者 中司祐典
木村晃司
発行年度 2006
要約 パン用小麦品種「ニシノカオリ」において、開花盛期及びその7~10日後頃の赤かび病防除時期に 2%程度の尿素液を乗用管理機で葉面散布することにより、土壌表面への開花期追肥と同等に 子実タンパク質含有率が向上し、追肥作業が省力化できる。
キーワード コムギ、ニシノカオリ、葉面散布、赤かび病防除、子実タンパク質、省力化
背景・ねらい 山口県では小麦奨励品種「ニシノカオリ」の栽培において、ランク区分における「たんぱく」 基準値を達成し、製パン適性を向上させるため、窒素成分2kg/10a程度の開花期追肥を施用するよう 指導している。しかしながら、従来の栽培法と比べ労力やコストが余計にかかるため、開花期追肥の省略や 省力化が可能な技術の導入が強く求められている。
そこで、開花期追肥を尿素の葉面散布とし、ブームスプレーヤを装着した乗用管理機による赤かび病防除と 同時作業とすることで、開花期追肥の省力化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 尿素の1.8~2.2%液(窒素1~2kg/10a)を開花盛期及びその7~12日後の2回、 葉面散布することにより、硫安や尿素の開花期土壌表面追肥と同等の子実タンパク質含有率向上効果が 認められる。収量についても、土壌表面追肥同様に千粒重が重くなって増加する傾向がある(表1、2)。
  2. 2回の葉面散布による施肥窒素量2~4kg/10aの範囲では、成熟期の遅れや倒伏の増大、外観品質の低下はない(表1)。
  3. 尿素液と赤かび病防除剤を同時施用することによる小麦への薬害はなく、子実タンパク質含有率の向上効果も認められる(表3、4)。
成果の活用面・留意点
  1. ブームスプレーヤを装着した乗用管理機での赤かび病防除と同時作業ができる。
  2. 尿素液の葉面散布により、葉先枯れや芒先端の白化が発生するが、2%程度の濃度であれば、程度は軽い。
  3. 赤かび病の防除については、「農薬使用基準」を遵守する。
図表1 220364-1.jpg
図表2 220364-2.jpg
図表3 220364-3.jpg
図表4 220364-4.jpg
カテゴリ 病害虫 コスト 小麦 省力化 施肥 農薬 品種 防除

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