黒大豆のへそ部と損傷部を区別する選別機

タイトル 黒大豆のへそ部と損傷部を区別する選別機
担当機関 京都農総研
研究期間 2004~2006
研究担当者 伊藤博通(神戸大学)
岡井仁志
後藤恒義((株)山本製作所)
西田幸弘((株)山本製作所)
大泉隆弘((株)山本製作所)
天野 久
発行年度 2007
要約 黒大豆選別機は、ラインセンサデータに基づき、濃度差から損傷粒を選別する。また、濃度差が示す3連の谷型ピークの間隔比から、へそ部を判別して、濃度差による選別から除外することにより、へそ部の白色による良質粒の誤選別を防止する。
キーワード 画像処理、ラインセンサ、黒大豆、選別機、へそ部、損傷粒
背景・ねらい 黒大豆産地の担い手の減少や高齢化が進む中、収穫後の選別作業は、10a当たり40時間と黒大豆作業時間の39%を占めている。微細な裂皮等を見分ける視力を必要とする選別作業は、特に高齢者に対する労働負担が大きい。本機の開発は、機械により自動的に安定した精度で黒大豆を選別することで、選別作業過程における労働負担の軽減をめざしたものである。
成果の内容・特徴
  1. 黒大豆選別機は、振動フィーダ及び6列のロータリバルブによる搬送部、ラインセンサ部並びにエアインジェクタによる選別部で構成される。黒大豆子実のラインセンサ画像データに基づき、子実表面の濃度差から、斑状裂皮粒、線状裂皮粒、内皮付着粒等の損傷粒を判別し、エアインジェクタにより除去する(図1)。
  2. ラインセンサデータの走査線上の濃度が示す曲線上の3連の谷型ピークの間隔比が 1:1.5~1.5:1の時に、この3連の谷型ピーク間がへそ部と判別できる(図2)。へそ部を濃度差による損傷粒判別範囲から除外することにより、へそ部の白色または灰白色による良質粒の誤選別を抑制する(表1)。
  3. 試作機の作業能率は1回選別で30㎏/hr、損傷粒の除去率は22%である。1回目の選別で良質粒として選別された粒を再度還流し2回選別することにより、作業能率は15㎏/hrに低下するが、損傷粒の46%を取り除くことができる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本機は、黒大豆子実の片面のみをラインセンサで走査することにより選別しているため、裏面の損傷を判別することはできない。また、種皮の濃淡に基づき種皮上に白色部のある損傷粒を、子実の輪郭に基づき扁平粒を選別できるが、しわ粒等表面の凹凸による損傷粒は選別できないので、高品質な丹波黒大豆を出荷するためには、目視との組み合わせによる選別が必要である
  2. 本機による粗選別と人手による仕上げ選別を組み合わせる場合、本機により損傷粒混入割合を低くすることにより、仕上げ選別の作業能率を向上させることができる。
図表1 220380-1.gif
図表2 220380-2.gif
図表3 220380-3.gif
図表4 220380-4.gif
カテゴリ 画像処理 出荷調整 しわ粒 大豆

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