コシヒカリの生育診断による籾数と白米粗タンパク質含有率の予測

タイトル コシヒカリの生育診断による籾数と白米粗タンパク質含有率の予測
担当機関 京都農総研
研究期間 2004~2006
研究担当者 尾崎耕二
河瀬弘一
発行年度 2007
要約 コシヒカリにおいて、幼穂形成期(出穂約25日前)に生育診断(草丈、茎数、葉色[SPAD値]を測定)を行うことにより、籾数と白米粗タンパク質含有率を予測でき、それに基づいて、適切な穂肥量を設定できる。
キーワード コシヒカリ、生育診断、籾数、白米粗タンパク質含有率、穂肥、予測
背景・ねらい 近年、登熟期の高温による外観品質の低下が「コシヒカリ」をはじめとする早生品種で問題となっており、京都府では、籾数制御を柱とした改善策を打ち出している。また、米あまりの中で、低タンパク質の良食味米生産対策は必須となっている。そこで、これらの対策を支援する技術として、「コシヒカリ」において、生育診断による籾数および白米粗タンパク質含有率の予測と、予測に基づいて両者を制御するための適切な穂肥量を決定できるシステムを作成する。
成果の内容・特徴
  1. 籾数および白米粗タンパク質含有率は、幼穂形成期の地上部窒素(N)含有量および穂肥N量と密接な関係があり、それらの関係は表1のモデル式1~3で表すことができる。
  2. 幼穂形成期の地上部N含有量は、同時期の草丈×平米当たり茎数×葉色(完全展開第2葉のSPAD値)と高い相関関係にあり、その関係は表1のモデル式4で表すことができる。
  3. モデル式1~4を利用すれば、幼穂形成期の草丈×平米当たり茎数×葉色(SPAD値)と1回目および2回目(それぞれ出穂18、10日前頃)の穂肥N量から、籾数および白米粗タンパク質含有率を精度良く予測できる(図1)。これに基づいた予測表を作成することにより、籾数と白米粗タンパク質含有率の予測値を簡易に知ることができ、目標とする籾数と白米粗タンパク質含有率に応じて適切な穂肥N量を設定できる(表2、3)。
成果の活用面・留意点
  1. モデル式は、生育診断を幼穂長1mm(出穂約25日前)の時期、1回目穂肥施用を幼穂長10mmの時期(出穂約18日前)、2回目をその8日後頃(出穂約10日前)に行うことを前提としている。
  2. 葉緑素計(SPAD-502)による葉色の測定は、主稈の完全展開第2葉の中央部分(中肋を含む)で行う。
  3. 本成果で得られたモデル式は、京都府亀岡市の灰色低地土における試験結果より得られたものであり、気象条件や土壌条件の大きく異なる地域での適用性は確認が必要である。
図表1 220391-1.gif
図表2 220391-2.gif
図表3 220391-3.gif
図表4 220391-4.gif
カテゴリ 品種 良食味

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