生分解性プラスチック誘引ひもとナス茎葉の効率的同時堆肥化法

タイトル 生分解性プラスチック誘引ひもとナス茎葉の効率的同時堆肥化法
担当機関 大阪農総研
研究期間 2004~2006
研究担当者 磯部武志
森川信也
発行年度 2007
要約 ポリ乳酸系生分解性プラスチック誘引ひもを用いることで、ひもを分別することなくナス茎葉残さの細断・堆肥化が可能である。ナス残さを乾燥させず、未乾燥で行うと裁断の作業性が良好となり、綿実油かすを添加することで速やかな堆肥化が行える。
背景・ねらい ナス栽培では栽培終了後に多量の茎葉残さが発生し、従来は焼却処分(野焼き)されてきたが、周辺環境への負荷が大きいことから環境に配慮した処理技術が求められている。未利用資源の再利用を目的とした堆肥化処理は有望な技術であるが、ナス残さは茎葉とプラスチック製誘引ひもが絡み合っており、分別に多大な労力を要する。そこで、効率的な堆肥化を目的として生分解性プラスチック誘引ひもを用い、残さと誘引ひもを同時に堆肥化する方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 堆肥化処理の前段階として、残さの細断(チップ化)が必要で、自走式農用マルチカッター(図1)を用い、生分解性プラスチック誘引ひも(ポリ乳酸系)が絡んだ状態でナス茎葉を細断すると、装置に絡まることなくひもと残さの同時細断が可能である。また、未乾燥で細断を行うと機械への投入時間が大幅に削減され、作業時間を約17%短縮することができる(表1)。
  2. 堆肥化には、細断した残さを90リットルのプラスチック製コンテナを用い、水分率を約70%に調整した後、2段積みで設置し、ブルーシートで覆う。最初の水分調整時に綿実油かすを重量比で5%添加することで発酵温度が上昇し、速やかな堆肥化が行える。また、堆肥化処理により生分解性誘引ひもの形状が完全に崩壊する(表2)。
  3. 毎週1回の切り返しにより、6~7週目で残さの温度上昇が観察されなくなる。堆積週目の堆肥化物を施用した用土は、コマツナ「夏楽天」の発芽、生育に悪影響を及ぼさない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 土壌伝染性病害の発生した残さは除外して堆肥化を行う。
  2. 1巻(500m)で生分解性誘引ひもは1,575円(10a当たり18,900円)、慣行のプラスチック製誘引ひもは315円(10a当たり3,780円)である。
図表1 220396-1.jpg
図表2 220396-2.jpg
図表3 220396-3.jpg
図表4 220396-4.jpg
カテゴリ 乾燥 こまつな なす 未利用資源

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