イチゴ「アスカルビー」のベンチ無仮植育苗におけるランナー切断による苗質向上

タイトル イチゴ「アスカルビー」のベンチ無仮植育苗におけるランナー切断による苗質向上
担当機関 奈良農総セ
研究期間 2004~2005
研究担当者 西本登志
前川寛之
米田祥二
矢奥泰章
発行年度 2007
要約 「アスカルビー」のベンチ無仮植育苗法では、8月中~下旬にランナーを切断すると、切断しない場合と比較して、クラウン径5mm以上の子苗が同等数得られるとともにT-R率の小さい苗となり、促成栽培における11~1月の早期収量が増加する。
キーワード イチゴ、隔離育苗、ベンチ、無仮植育苗、ランナー切断
背景・ねらい ベンチを用いた「アスカルビー」の無仮植育苗では、育苗期後半に苗の栽植密度が高くなり、培地に着床しない苗やベンチ外へのランナー伸長がしばしば観察される。一方、「宝交早生」の無仮植育苗では栽植密度が過度に高まると子苗のT-R率が大きくなり、定植後の地下部の発育不良により果実収穫量が低下することが知られている。そこで、ベンチを用いた無仮植育苗法において、ランナー切断の効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 総発生子苗数はランナー切断を行うことで明らかに減少するが、クラウン径5mm以上の子苗数は切断の有無にかかわらずほぼ同程度である(図1)。
  2. ベンチ無仮植育苗において、最終の施肥を7月末に緩効性肥料(IBS-1号)を用いて行うと、ランナー切断の有無にかかわらず育苗末期の子苗の葉柄中窒素濃度は30ppm以下に低下する(表1)。
  3. 子苗の葉柄長とT-R率はランナー切断により小さくなり、切断時期が早いほどその傾向は助長される(表2)。
  4. クラウン径5~9mmの子苗を定植する場合、促成栽培における11~1月の早期収量は育苗時のランナー切断により増加し、総収量は増加する傾向がある(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. ランナーの切断は、採苗時と同様に、子苗の親株側を3~5cm残し、ランナー先端側を株元から切除する方法により行う。
  2. ベンチは鉄パイプ、エキスパンドメタル、ポリフィルムおよびハウス組立用資材を用いて作製し、ベンチの高さ、幅および培地の深さはそれぞれ85cm、135cmおよび10cmとする(図2)。
  3. 親株はベンチの片側へ、株間45cm、1条植で、ランナー発生方向を揃えて定植する。
  4. 育苗培地には国産ヒノキのおがくずが利用できるほか、上部をヤシがら20%(容積比)、下部をもみがら80%とした2層培地が利用可能である。
図表1 220398-1.jpg
図表2 220398-2.jpg
図表3 220398-3.jpg
図表4 220398-4.jpg
図表5 220398-5.jpg
カテゴリ 肥料 育苗 いちご 栽培技術 施肥

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