茎葉収穫を目的としたクズの栽培法

タイトル 茎葉収穫を目的としたクズの栽培法
担当機関 奈良農総セ
研究期間 2005~2007
研究担当者 中野智彦
発行年度 2007
要約 クズの越年枝を挿し木することにより、短期間で効率的な苗生産が可能である。抑草シートで圃場全面を被覆して定植すると、翌年度から茎葉が収穫できる。周辺圃場への侵出は、生育期に栽培圃場周囲をトラクターで3~4回耕起して茎葉をすき込むことにより防止できる。
キーワード クズ、育苗、栽培、収穫、軽労化
背景・ねらい クズの茎は、多くのイソフラボノイドを含有しその抽出物の骨粗鬆症治療効果が報告されている。また、葉にも各種機能性物質が多量に含有することが示唆されている。ところが、クズの栽培に関して、家畜の飼料や土壌の侵蝕防止のための被覆植物として作付けされた例はあるが、圃場において栽培された例はなく、隣接圃場への侵出も懸念される。そこで、クズの茎葉の収穫を目的とした栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. クズの越年枝(直径9~12mm)を4月に長さ約12cmの穂木に調製し、節が赤玉土または桐生砂単用の用土にわずかに埋まる程度に挿し木すると、節から出葉、発根する。発根率は約60%であるが、鹿沼土を用いると30%未満と低い。6月に緑枝挿しすると穂木は腐敗枯死する(表1、図1)。
  2. クズの挿し木苗を6月に10aあたり250本定植すると、翌年には全面に繁茂し、落葉した12月以降に10aあたり約2tの茎が収穫できる。施肥は行わない。圃場全体をシートで覆うとクズの生育を抑制する雑草の繁茂を防ぐことができる。被覆資材は栽培が多年にわたるため耐候性の高い化学樹脂製織物が望ましい。
  3. 圃場の周囲に幅2m程度の空き地を設けて、クズの生育が旺盛な7~9月にかけて3~4回、トラクターで伸長した茎葉をすき込むと土中で腐敗枯死するため、クズの周辺圃場への侵出防止が可能である(表2)。
  4. シートの上に茎が這っているため、株の地際部で茎を切断することにより茎葉を容易に採取できる。茎のみの収穫は、圃場に破砕機を設置し茎をその場で粉砕して網袋に収納すると、容積が小さくなり運搬も容易である。
成果の活用面・留意点
  1. クズを裸地に定植すると雑草により生育が抑制され、ほとんど茎葉が得られない(データ略)。
  2. 支柱を設置すると固く絡みつくため、茎の採取は極めて困難となる。
  3. クズ茎葉の利用法として、機能性に着目した用途が考えられる。
図表1 220399-1.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 機能性 軽労化 栽培技術 挿し木 雑草 施肥

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