タイトル |
自動灌水装置を用いた水分制御による半促成栽培トマトの高糖度化 |
担当機関 |
和歌山県農総セ |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
川村和史
西森裕夫
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発行年度 |
2007 |
要約 |
カーネーションの2年切り栽培において、1年間栽培した株を1回で切り返すのではなく、 2回に分けて草丈を段階的に低く切り返す、あるいは側枝を半分ずつ2回に分けて切り返すことにより、 高温時でも生存株率が上昇し、収量も増加する。
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キーワード |
カーネーション、2年切り、2回切り返し法
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背景・ねらい |
トマト栽培では灌水管理が果実品質、収量に及ぼす影響が大きい。また、トマトの高糖度化のための技術として節水管理が不可欠である。しかし、灌水管理は農家の経験や感覚によって行われ農家間で品質に差が生じやすい。そこで、高品質果実生産技術を平準化するため、きめ細かく土壌水分管理ができるADR式土壌水分センサーを用いた自動灌水装置によるトマト養液土耕栽培での、畝内の土壌水分および根の分布について明らかにするとともに高糖度栽培への適応性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 自動灌水装置(大起理化工業 TA型-6560)は点滴灌水チューブの直下に埋込んだ水分センサー(Delta-T社 ML2x)により土壌水分を感知し、土壌水分が設定値以下になると灌水する装置である。
- 埴壌土ほ場において土壌水分センサーを点滴灌水チューブ吐出口直下15cmの深さに設置し、1回の灌水量を200mlとした場合、畝内の土壌水分は灌水チューブから水平方向に10cm以上離れた位置でチューブ直下に比べて低くなる。チューブ直下の垂直方向の土壌水分は、表層から15cmまでに比べて15cmより深い位置のほうが低い(表1)。
- 畝内の根の分布は水分分布と同様の傾向を示し、灌水チューブから水平方向に10cm以上離れた位置でチューブ直下と比べて根量が少なくなる。チューブ直下の垂直方向の根量は表層から20cmまでに比べて20cmより深い位置で少ない(表1)。
- 自動灌水装置でpF換算値を一定に保つよう灌水を行った場合、センサー設置付近のpF換算値は灌水後速やかに0.5~1.0程度まで下がり、その後設定した灌水開始点まで上昇する(図1)。
- 灌水開始点を4段果房開花期から摘心までをpF換算値で2.7、摘心後、収穫終期までを2.9に設定し、土壌水分を低く管理することにより、一果重の減少や、尻腐れ果等障害果の発生により収量は少なくなるが、果実糖度を安定して高めることができる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 点滴灌水チューブはラム17吐出口間隔20cm(ネタフィム社)を使用し畝中央に1本設置した。
- 均一に灌水ができるように、作土が細かくなるよう丁寧に耕起する。また、畝立て後、畝全体に均一な灌水を十分行う。
- 土壌水分センサーの設置位置は点滴灌水チューブ吐出口直下の深さ15cmとする。
- 活着後~第3果房開花始めまでは自動灌水を行わず控え目の株元灌水とし、過繁茂を防止する。
- 本成果は、埴壌土ほ場での成果である。
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図表1 |
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カテゴリ |
カーネーション
障害果
トマト
水管理
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