イチゴの大果生産に適した芽数・着果数の制限方法

タイトル イチゴの大果生産に適した芽数・着果数の制限方法
担当機関 山口農総技セ
研究期間 2004~2006
研究担当者 鶴山浄真
西田美沙子
茗荷谷紀文
発行年度 2007
要約 22g以上の大果イチゴを安定的に生産するには、栽培期間を通して1株当たり芽数を2、着果数を3に制限する株管理が最も適する。本管理方法は、慣行管理よりも、収穫果実の糖度が安定して高くなり、収穫・選別作業時間は大幅に減少する。
キーワード イチゴ、大果、芽数、着果数、とよのか、さちのか
背景・ねらい 近年、イチゴの価格が低迷する反面、消費者からのニーズは多様化しており、その一つとして、贈答用を主な用途として大果イチゴ(22g以上)の安定供給が求められている。本県イチゴ産地が活性化するには、このような需要に応え特徴あるイチゴを生産する必要がある。
そこで、大果イチゴの安定生産に適した株管理方法を確立し、果実品質と管理作業時間に及ぼす影響について検討する。なお、本成果は山口型高設栽培システム(栽植密度:6400株/10a、株間20cmでの培地量:3L/株)において、「とよのか」および「さちのか」品種で得られたものである。
成果の内容・特徴
  1. イチゴの大果生産には、栽培期間を通して、1株当たりの芽数・着果数を頂果房で1芽3果、腋果房で2芽3果に制限する方法(以下「大果処理」)が適している(図1)。
  2. 株間20cmでの大果処理により、大果収量が5月まで安定して多く、大果比率(全収穫果数に占める大果数の割合)が50%以上と高くなる(図2)。
  3. 大果処理による大果収量は、「とよのか」よりも「さちのか」で多い(図2)。
  4. 大果処理により、糖度が慣行管理よりも安定して高くなる(表1)。
  5. 大果処理は、慣行管理と比較して、摘果作業時間は増加するが、収穫果数と選別規格が少なくなるため、摘果・収穫・選別作業の総時間は大幅に減少する(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、普通促成作型(6月下旬採苗、9月下旬定植)において得られたものである。
  2. 摘果処理は、各果房頂果が緑熟期の時点で行う。摘芽処理は、腋芽が出蕾するまでに、通常の葉掻ぎ管理と合わせて随時行う。
  3. 大果処理は、慣行管理と同様の温度管理が必要である。
  4. 本技術を活用する場合には、雇用労力の調整や安定価格で扱う取引先を確保することが必須である。
図表1 220404-1.jpg
カテゴリ いちご 温度管理 栽培技術 品種

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