タイトル |
夏秋どりに有望なイチゴ新品種「サマーフェアリー」 |
担当機関 |
徳島農総セ |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
新居 智
林 純二
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発行年度 |
2007 |
要約 |
夏秋イチゴ新品種「サマーフェアリー」は四季成り性品種であり、果皮色は赤で、光沢がよい。多収性で、食味も良く、果実硬度も硬いため業務用の夏秋どり栽培に適する。
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キーワード |
イチゴ、四季成り性、夏秋どり
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背景・ねらい |
徳島県の夏秋イチゴは、夏季冷涼な気象条件を活かして標高700~1,000mで栽培され山間地域の主要品目となっている。しかし、現在栽培されている品種は、夏の高温により奇形果、病害等の発生が多く収量が減少し問題となっている。そこで、品質に優れ、安定栽培できる地域に適合した夏秋イチゴの品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 本品種は四季成り性品種で、夏秋期にも開花・結実する。
- 2001年に、「徳系5」((「みよし」×「久留米48号」)×「みよし」の実生選抜株)を子房親に、「アスカルビー」を花粉親として交配し育成した品種である。
- 収量は、栽培品種の一つである多収性の「あわなつか」と比較して6~7月に少なくなるものの8~11月には多くなる。また、総収量は多い(図1)。
- 果形は円錐で形状がよく、果実の大きさは中である。果皮色は赤で、光沢がよい。果肉色は淡紅である(表1、図3)。
- 糖度は「あわなつか」より高く、夏季の高温期には9.4%と低くなるものの気温の低い時期には11%以上まで上昇する。酸度がやや低く糖度が高いため食味が良く、果実の香りはやや多い。果実の硬さは「あわなつか」より硬く、日持ち性および輸送性は良い(表1)。
- 草姿は立性と開張性の中間で、草勢は強く、草丈はやや高い。葉色は黄緑で、小葉の大きさは大である。ランナー数はやや少ない(図2)。
- 2005年12月に「サマーフェアリー」として品種登録申請している。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象地域は、徳島県内の高標高地域とする。
- 草勢が強く、草丈が高くなるので株間は25cm以上とる。
- 株の生育状況を観察しながら充実したわき芽2~3芽を残し、他の弱いわき芽はかき取る。
- 盛夏期には株の成り疲れが起こるので、初期から着果負担をかけないように適正な摘果を心がける。
- 萎黄病に比較的強いものの炭疽病、うどんこ病には強くないため定期的な薬剤散布を行うなど防除に留意する。
- 種苗の利用権許諾は、JA阿波みよしが取得している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
あわ
萎黄病
いちご
うどんこ病
新品種
多収性
炭疽病
品種
防除
薬剤
輸送
良食味
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