L莢率が高く、大粒のソラマメ新品種「愛のそら」の育成

タイトル L莢率が高く、大粒のソラマメ新品種「愛のそら」の育成
担当機関 愛媛農試
研究期間 1995~2007
研究担当者 伊須昭博
永井賢治
戸井康雄
発行年度 2007
要約 「陵西一寸」に「春風一寸」を交雑し、系統選抜法により育成した「愛のそら」は、早生で、3粒莢以上のL莢率が高く、多収、大粒で良食味な一寸ソラマメの新品種である。
キーワード 一寸ソラマメ、大粒、L莢率、良食味、早生性
背景・ねらい 2005年産の愛媛県のソラマメは作付面積210ha、生産量1,749t(出荷量1,240t)で、全国第4位の産地である。現在国内で栽培されているソラマメの約90%余は「陵西一寸」であるが、生産者や市場関係者からは本県在来品種の清水一寸(大粒、良食味)の特徴を活かした、県オリジナル新品種の育成が望まれている。このため、清水一寸から育成した「春風一寸」の特性(早生で大粒、良食味)に加え、L粒莢(3粒以上の莢)率が高く、多収の品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「愛のそら」は「春風一寸」と「陵西一寸」の交雑個体から系統選抜法により育成した、L莢率が高く、大粒、良食味で多収な早生品種である。
  2. L莢(3粒以上の莢)率は51.4%で、「陵西一寸」より13ポイント、「春風一寸」に比べ34ポイント高く、収量(㎏/10a)は2,125kgと「春風一寸」より511kg多く、「陵西一寸」と同等である。(表1)。
  3. 莢及び青実の大きさは、「陵西一寸」に比べ大きく、「春風一寸」とほぼ同等である。(表2、図1)。
  4. 草丈が「陵西一寸」と「春風一寸」より高く、分枝もやや太い。小葉の形は「陵西一寸」よりやや長く、「春風一寸」に比べやや大きい。花の色は「陵西一寸」と同様、ほぼ白である。
  5. 青実の食感は「春風一寸」と同様に粉質で、「陵西一寸」に比べ甘く感じる。
  6. 開花は「陵西一寸」より10日程度早く、「春風一寸」に比べ20日程度遅い。収穫は「陵西一寸」に比べ5日程度早い早生品種で、極早生の「春風一寸」に比べ7日程度遅い。
成果の活用面・留意点
  1. 「愛のそら」は西南暖地の寒害の少ない地域が適している。特に、無霜地域では、早期出荷による高収益が期待できる。
  2. 「愛のそら」は「陵西一寸」に比べ、ウイルス症状の発生率が高い。2007年3月の現地6圃場の調査では「愛のそら」が16%、「陵西一寸」が7%である。
  3. 普及地域については品種登録後3ヵ年は愛媛県のみとする。
図表1 220409-1.jpg
図表2 220409-2.jpg
図表3 220409-3.jpg
カテゴリ 出荷調整 新品種 そらまめ 品種 未成熟そらまめ 良食味

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S