タイトル |
タマリュウによる畦畔法面省力管理技術 |
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研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
木村 浩
住吉俊治
山本和博
河野 靖
弓達 隆
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発行年度 |
2007 |
背景・ねらい |
畦畔法面の除草管理は崩壊防止のため、ほとんどが草刈機を使用しており、多大な労力を要している。そのため、植生で法面を覆い雑草の発生を抑制する技術が確立されているが、外来草種が使用されており、生態系への影響が懸念されている。 そこで、長期間植生維持が可能な在来草種のタマリュウで既存畦畔法面を被覆し、雑草の発生を抑制する技術について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 購入したタマリュウマット苗を1本毎に分割し、除草剤で雑草を枯らした畦畔法面に移植する。タマリュウにより1年間で地表全面を被覆するには、4cm間隔で植え付ける必要がある。10cm間隔で植え付ければ、2年間でほぼ全面を被覆できる(図1)。
- タマリュウ植え付け後に発生する1年生雑草は、グリホサートアンモニウム塩液剤を250ml/10a処理することで、防除が可能となる。また、タマリュウの被度が高まるにつれて、1年生雑草の発生は大幅に減少する。(表1)。
- 気温の高い4月や9月に植え付けると、気温の低い2月や11月に植え付けたものに比べ出芽数は多く、タマリュウの被度も高い(図2)。
- タマリュウの生育を良くするには、施肥が有効であり、施肥回数が多いほど、植え付け1年目の出芽数や2年目の被度は高くなる(図2)。
- 1年目の定植とその後の管理を含む作業時間は31.0時間/100m2、経費は62千円/100m2で、2年目の作業時間は除草作業の2.0時間/100m2、経費は40千円/100m2必要である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- タマリュウを植え付けてから活着までの期間と、植え付け1年目の夏に高温少雨が続いたときには、潅水が必要である。
- タマリュウが畦畔を全面被覆するまでに発生する雑草は、草刈り(高刈り)や除草剤で対応する。除草剤(グリホサートアンモニウム塩液剤)は、薬害が生じるおそれがあるため7~9月の高温・乾燥時の使用を避ける。
- 施肥は、雑草処理(草刈り、除草剤散布等)後に施用する。斜面への散布となるので、液肥施用が効果的である。なお、液肥施用後、葉先が枯れる場合があるが、枯死には至らず、その後生育は回復する。
- 1年目は、多くの経費と労力を要するので、小面積ずつ取り組むことがポイントである。
- タマリュウが約2年間で全面を被覆すれば、3年目以降の除草作業は大幅に軽減される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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