ポットハボタンの3本仕立て技術

タイトル ポットハボタンの3本仕立て技術
担当機関 京都農総研
研究期間 2004~2006
研究担当者 竹本哲行
発行年度 2007
要約 切り花用品種‘初夢’、‘初紅’、‘冬紅’を用いた3本仕立てのポットハボタンは、7月上旬に播種後、7.5cmポットに鉢上げし、その4週間後に摘心と摘心時に最上位葉位から3枚の摘葉を行うことで、コンパクトで、均整のとれた株の育成割合を高めることができる。
キーワード ポットハボタン、花壇苗、3本仕立て、摘心、摘葉
背景・ねらい 花壇苗用の3本仕立てのポットハボタンは、冬期花壇苗として需要拡大が見込まれる有望品目のひとつである。3本仕立てとするためには、摘心を行い、側芽を伸ばす必要があるが、切り花用品種を用いて、コンパクトで、3本の分枝を確保する草姿調節技術は確立されていない。そこで、7.5cmポットを用いて、播種時期、摘心時期、摘心時の摘葉枚数が草姿と分枝数に及ぼす影響について検討する。
成果の内容・特徴
  1. ‘初夢’は、播種時期を6月中旬、7月上旬および7月下旬とずらして栽培すると、鉢上げ4週間後に摘心した場合の草丈は、6月中旬播種区で高く、7月上旬播種区では、最も低くなる。また、7月上旬播種区では、鉢上げ4週間後に摘心した場合に、分枝位置が低く、分枝長が草丈の50~60%となり(表1)、均整のとれた草姿となる。
  2. 7月上旬播種において、摘心(葉身長3cmの葉の基部直下から頂端分裂組織を含む上部組織を除去)時期が、鉢上げ2週間後と4週間後では、分枝位置に有意差は認められないが、分枝長は鉢上げ4週間後処理区で有意に短くなり(表1)、均整のとれた草姿となる。
  3. ‘初夢’において、摘心時に最上位葉位から3枚摘葉することで、3本の分枝が得られる株の割合が70%程度となる(図1、図2)。
  4. ‘初夢’以外の品種では、最上位葉位から3枚摘葉した場合、3本の分枝となる株の割合は、摘葉しない場合と比べて、‘雪あかり’、‘駿河の初日’、‘初紅’、‘冬紅’で向上し、特に、‘初紅’、‘冬紅’では50~60%となる(図3)。‘ムーンライト’では、摘葉による分枝数の増加効果は認められない(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 鉢上げは播種後およそ20日目、本葉2~3枚展開時に行う。
  2. 生育初期の徒長を抑制するため、セル育苗時のハウスの高温に留意し、鉢上げ後の遮光は行わず、ビーナイン水溶剤80の100倍液を鉢上げ後3日目に葉面散布する。
  3. 分枝の伸長を促すため、摘心・摘葉時の残葉数は5枚以上となるよう管理することが望ましい。
  4. 他の切り花用品種に対する適用性は別途検討を要する。
図表1 220413-1.jpg
図表2 220413-2.jpg
図表3 220413-3.jpg
図表4 220413-4.jpg
カテゴリ 育苗 需要拡大 播種 はぼたん 品種

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