種子の湿潤低温処理によるブプレウルムの生育促進と品質改善

タイトル 種子の湿潤低温処理によるブプレウルムの生育促進と品質改善
担当機関 岡山農総セ
研究期間 2006~2006
研究担当者 中島 拓
土居典秀
発行年度 2007
要約 ブプレウルムの冬季電照加温促成作型において、種子を播種前に2℃で20日間湿潤低温処理すると定植可能な健全苗の率が高まり、生育開花が促進して収穫期間が短くなり、切り花品質が均一化するとともに葉先枯れ症状の発生率が低下する。
キーワード ブプレウルム、種子湿潤低温処理、生育促進、葉先枯れ症状
背景・ねらい ブプレウルムの冬季電照加温促成作型(16時間日長、10℃加温)では、種子の発芽がそろいにくく、子葉の変形した奇形苗が発生することがある。しかも、収穫期間が長くなり、切り花品質も不均一となる。そこで、1月播種作型において、種子への湿潤低温処理により、収穫期間の短縮と切り花品質の均一化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 種子を播種前日から流水下で一晩吸水させ、湿潤状態のまま2~8℃で20日間低温処理(以下、湿潤低温処理)を行った後に播種すると、無処理に比べて発芽が早くなり、定植可能な健全苗の率も高くなる(図1)。
  2. 湿潤低温処理の温度(2℃、5℃、8℃)と日数(10日、20日)を検討したところ、処理温度に関わらず、処理日数の長い方が切り花収穫期間が短くなり、切り花重が均一化する。なお、20日間処理では節数が少なくて切り花重が軽いが、出荷基準以内であり、品質上の問題はない(表1)。
  3. 湿潤低温処理の温度が高くて処理日数が長いほど処理中に発根する。しかし、2℃の20日間処理ではほとんど発根せず、播種が容易である(図2)。
  4. 湿潤低温処理を行うと、葉先枯れ症状の発生率及び発生程度が低下する(表2)。
  5. 湿潤低温処理後に種子の水分を拭き取り、冷蔵庫内の2℃冷気に暴露した状態で保存すると、10日間は発芽率が低下しない(データ省略)。
成果の活用面・留意点
  1. 発芽安定のため、育苗には水はけの良い用土を用いる。
  2. 湿潤低温処理中に発根する場合があるが、根を傷めないように播種すると生育・品質は低下しない。
  3. 高温期播種作型においても湿潤低温処理を行うと発芽が促進し、健全苗率は向上するが、切り花長は短くなり、切り花重は軽くなる。
図表1 220414-1.jpg
図表2 220414-2.jpg
図表3 220414-3.jpg
カテゴリ 育苗 栽培技術 出荷調整 播種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる