タイトル |
ブルースター(Tweedia caerulea)の増殖技術 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
平石真紀
西内隆志
二宮千登志
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発行年度 |
2007 |
要約 |
種子の発芽促進のためにはジベレリン200ppm液に48時間浸漬後、播種する。また、挿し芽は、開花4~5日前の茎葉を用いて、キク用水揚げ剤に挿し穂を浸漬した後に、発根剤処理をして、最低気温を25℃としたトンネル内で密閉挿しする。
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キーワード |
ブルースター、種子繁殖、挿し芽繁殖、発芽促進、密閉挿し
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背景・ねらい |
ブルースター(別名オキシペタルム)は、花色や花型で新しい形質を持つ品種が育成されてきているが、発芽が悪く、また挿し芽技術も確立されていない。 そこで、これら品種の繁殖生理を解明して、効率的な種苗増殖方法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 種子繁殖
(1)採取直後の種子は休眠状態にある。発芽促進のため、種子をジベレリン200ppm液に48時間浸漬する(図1)。 (2)播種後は、20℃で管理すると発芽が良好となる(図2)。 - 挿し芽繁殖
(1)開花4~5日前の茎葉を挿し穂として用い、キク用水揚げ剤(商品名:挿し芽用水揚げ剤)80倍液に挿し穂全体を30秒間浸漬した後に、発根剤処理をして挿し芽する(表1)。 (2)挿し芽の最低気温を25℃とすると発根が良好となる(表2)。 (3)挿し芽方法は、トンネル密閉挿しとする。ミスト繁殖と比べ、根の伸長がよく、鉢上げ後の生育も良好である(データ略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 種子繁殖は、採種が容易な品種とし、挿し芽繁殖は採種効率の悪い品種や突然変異株を対象とする。
- 人工交配が困難なため、交配には訪花昆虫(ミツバチやマルハナバチ)を導入して使用する(交配採種)。
- 採種は、蒴果が割れ始めた頃に行う。遅れると飛散しやすいので注意する。
- 挿し穂は、1節葉のものを用い、挿し芽中の蒸散を抑えるため展開葉を半分に切除する(管挿し)。
- 発根剤処理は、さし穂基部をオキシベロン液剤の2倍液に5~10秒間浸漬する。また、水揚げ剤は、長時間浸漬すると薬害の恐れがあるため注意する。
- 挿し芽培土には、鹿沼土細粒を用い、挿し芽後30~40日で鉢上げする。
- 挿し芽繁殖中の灌水は、夏場の晴天時には1日2回(午前、午後の2回)とし、それ以外の時期には午前中1回とする。
- 電熱線等を設置して最低気温25℃を確保する。冬季の挿し芽では、やや発根率が低下する。
- 夏季の挿し芽時にはトンネルのポリフィルムに小穴を開け、さらに寒冷紗(遮光率50%程度)を被覆する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
きく
播種
繁殖性改善
品種
ブルースター
マルハナバチ
ミツバチ
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